スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

--/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

cm --  tb --  

第八話 3 深夜の儒生たち 

一方その頃、中二房。

間にユンシクの布団をひとつ挟み、ジェシンとソンジュンは互いに背を向けて横になっている。
いつもの定位置だ。
だが今夜は二人共、それぞれに隣の空の布団の主のことを考え、全く寝付けずにいた。

ジェシンは思い出していた。
享官庁の扉の隙間、立ち昇る湯気の中。微笑んでいたテムルの顔。
ほっそりとした腕に、指を滑らせる仕草。濡れた髪。白い胸元。

ヤバい。何を考えてる。

頭に浮かんだ光景を振り払おうと、身震いするように頭を振った。

ソンジュンは思い出していた。
怪我をしていた手。巻かれた包帯のせいで、余計に小さく見えた。
関係ないだろ、とソンジュンの手を振り払った、冷たい声。責めるような、視線。

僕がいったい何をした?

肩越しに、隣に敷かれた布団を見つめる。ぽっかりと空いた空間。はたと、その向こうにいるジェシンと目が合った。
なんとなく気まずい空気が流れる。
ソンジュンは小さく咳払いをし、ジェシンは意味もなく枕を二、三度叩き、互いに再び背を向けた。

───ったく、いつになったら帰ってくるんだ。

胸の内でこぼした言葉は、二人とも同じだった。


ややあって。
微かな音とともに部屋の扉が開いた。
ソンジュンとジェシンはぴくりとも動かず、ユンシクの気配に耳をそばだてる。
二人が眠っていると思っているのだろう。殊更に音を立てないよう、服を棚にしまい、ユンシクはそろそろと真ん中の布団に潜り込んだ。

「ひっく」

夜のしじまに、ジェシンのしゃっくりが小さく響いた。
堪えようとするが、焦れば焦るほど、胸に飼っているイナゴは飛び上がることをやめない。
たまらず、枕を弾き飛ばすようにして中二房を飛び出した。

落ち着け。相手はテムルだ。今までと何も変わっちゃいない。

縁側の柱に手をつき、しゃっくりを止めようと深呼吸していると。

「───見たんだな」

いきなり声を掛けられて、ぎくりとする。首を巡らすと、隣の部屋の扉が僅かに開き、その隙間からヨンハの にんまりとした顔が覗いていた。
ヨンハはするりと部屋から出てくると、ジェシンの耳元で囁いた。

「さっき、享官庁で。だろ?」

ごくりと息を呑んだ。喉が、カラカラに乾いていた。



ジェシンが部屋を出ていった後、ソンジュンはユンシクに背を向けたまま、口を開いた。

「……今まで何をしてたんだ?」

口うるさい同室生だと思われようが、構いやしない。明日は、寄宿生が自宅に帰ることを許される、月に二度の帰宅日だ。朝から何かと慌ただしくなるだろう。今言っておかないと、うやむやになってしまう気がした。

「殴り合いの喧嘩もしたそうだな。いったいどういうつもりだ?点呼にも戻らず、コロ先輩の真似か?」

返事はない。まだ怒っているのだろうか。
半身を起こして振り返ったソンジュンはそこに、口を半開きにしたまま既に夢の中のユンシクを見た。

寝付きの早さは天下一品だな。

こっちは心配して、全然眠れなかったっていうのに。
ソンジュンはまた少し理不尽な思いを抱きながら、布団からはみ出ているユンシクの手を取り、中にしまってやった。
白い包帯が目に入る。
傷の具合は、どうだったのだろう。結局、訊けずじまいだった。

ムニャムニャと口を動かしながら、ユンシクがこちら側に寝返りを打った。その無防備な表情が妙に愛らしい。そして、鼻筋から口元、顎にかけての、繊細な稜線。剥いた卵のように、白く艶やかな頬───。
はっとした。同性の寝顔に思わず見入ってしまうなんて、一体どういう了見だ?

ソンジュンは頭を振ると、ユンシクに背を向けて布団に潜り込んだ。長い一日だった。大射礼での優勝が、最早何日も前の出来事のように思える。
目を瞑ると、流石に疲れていたのか、すぐに意識が遠のいていった。




ふわりと、背中に温かいものが触れるのを感じた。後ろから伸びてくる、か細く、しなやかな腕。
それはソンジュンを優しく掻き抱く。

誰だろう。

ソンジュンはその腕を取り、振り返る。
にっこりと微笑むその顔は、絶世の美女だ。何処かで見たような気もするし、初めて見るような気もする、顔。
豊かな飾り髪に、蝶のかんざしが揺れている。
ソンジュンは一目で、彼女に心を奪われてしまった。

───君は誰だ?

問いかけるが、彼女は美しい口元に笑みを浮かべるばかりで、答えない。
男なら誰もが吸い付きたくなるだろう、魅惑的な桃色の唇が、ソンジュンを誘う。
抱き締めようと腕を伸ばした。だがその身体は空気のように すっと、ソンジュンの腕をすり抜けてしまう。

天女───?

唐突に、そんな言葉が閃いた。彼女はそれを肯定するように、腕に絡ませた薄布をひらりと翻し、ソンジュンの頭上へゆっくりと舞い上がっていく。
彼女が腕を振る度、銀色の光の粒が、その輪郭からきらきらとこぼれ落ちた。その光景に、ソンジュンはただただ圧倒されるばかりだった。

なんてきれいなんだ。

追いかけることも忘れ、その場に跪きたいような感覚にかられる。

これは夢だ。
美しく、とても幸せな夢。

だがなぜか、無性にせつなかった。






**********************************************************
あまるですどうもこんにちわ。

あまる地方では桜も終わり、そろそろツツジが満開になる頃です。
博多周辺はどんたくやらあちこちで始まる陶器市やらで、一年で一番人が多くなる時期。
ゴールデンウィークのご予定はお決まりですか?

……すいません。ちょっとまったり日記ブログ風気取ってみたかっただけです。(爆)

というわけで(どんなわけだ)毎度お馴染み(^^ゞウソ注意報発令です。
今回はソンジュンの夢の部分。ぬふ。←スケベ笑い
ではまた~(逃げ)




↓楽しんでいただけたらポチっとお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
スポンサーサイト
web拍手 by FC2

2012/04/26 Thu. 09:38 [edit]

category: 第八話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

cm 6  tb 0 

コメント

読まれてる……(^^ゞ

> tomono さま

> 最後の方のソンジュンの夢の中は 
> ユニが女装したときに〈女装が あっているのか?)の所に 
> ちょっと続くような気がしてしまいました

すすす、スルドイ……。今ちょっとまぢでびっくりしました(笑)
ぢつは10話のあの辺り、このブログ始める前からもう既に書いてあったりするので、
ソンジュンの夢の部分はお察しのとおりデス。だは~。
後日あのへんでそれらしーのが出てきたらニンマリしてやってください~

あまる #- | URL
2012/04/28 00:36 | edit

Re: ぐひひ

> 基準はどこにあるのかな?

あれはきっと、頭ではなくてカラダが反応しているのよ~
コロたんは野生の男だから~うへへ~ぃ(ヤメロ)

あまる #- | URL
2012/04/28 00:20 | edit

こんにちは 
最後の方のソンジュンの夢の中は 
ユニが女装したときに〈女装が あっているのか?)の所に 
ちょっと続くような気がしてしまいました
お話し 有難うございました

tomono #- | URL
2012/04/27 13:51 | edit

ぐひひ

コロのしゃっくりって
「女性」を意識すると出る時と
意識しない時も出ちゃうよね?
ユニに対してそう。
出る出ない。
基準はどこにあるのかな?

なんて考えてしまうのであった。

にゃん太 #- | URL
2012/04/27 05:52 | edit

Re: 《ひっく》

わーい(^o^)5つ星もらっちった(喜)ありがとお~

コロたんのハンカチぽろりは次回には入れられるかなァ。
このシーン、好きだって方多いのでプレッシャーも半端ないですが(^^ゞ
気合入れて書きまする~

あまる #- | URL
2012/04/26 18:25 | edit

《ひっく》

あまるさんの脳内図(笑)には毎回脱帽です✿
ソンジュンの脳内図リアルで、舞台裏をのぞけたお得な気分☆☆☆☆☆の5星(^^♪

コロちゃんの、しゃっくり止め手ぬぐいがコロっとコロがる場面一押しです~w
あのお目々のキュートなこと~♡
ソンジュンラブ♪なワタシもこの場面のコロちゃんはトキメキ☆成均館ですぞ(^◇^)

あまる地方のこれからのイベントたのしそうでござるな~ヽ(^。^)ノ
こちらはこれから連休にかけて田植えがスタートですだ。

みずたま #- | URL
2012/04/26 10:11 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://amaru0112.blog.fc2.com/tb.php/84-a805a47d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

2017-10
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。