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幻月 5 

続きです。

今『神の贈り物-14日-』観てます。知ってるヒトというとB1A4のバロとか、あまるはちょっと苦手なノ・ミヌssiくらいしかいなくて、なんか地味?なドラマかと思いきや。
なんとまたしてもタイムスリップもの!
愛する娘を殺された母親が、事件の14日前にタイムスリップ、たまたま一緒にタイムスリップしてた元刑事の私立探偵とともに、娘を救うため奔走する、っていうストーリーです。
いやコレ、ファンタジーサスペンスっていうより最早ホラーですヨ!ところどころの演出がもぉコワすぎ!(^^ゞ
なんかギャー言いながら結構観ハマっている自分(笑)
ラストの謎解きまで目が離せません~

**********************************


昼下がり。明倫堂の前庭では、耳を聾する程の蝉の声が、照りつける日差しの熱さをいや増していた。
木陰とはいえ、立っているだけでじっとりと首筋に汗が浮いてくる。気休め程度の風にしかならないとわかっていても、ついつい、手にした手巾でぱたぱたと顔を扇いでしまう。

「キム・ユンシク!」

呼ばれて振り向くと、急いで来たのか少しばかり息を弾ませたソンジュンがそこに立っていた。

「すまないが、先に帰っててくれ。ヨリム先輩が姿をくらました。斎会の仕事が山積みなのに」

ユニは「また?しょうがないなぁ」と呆れた声を出した。
じっと机に張り付かねばならない地味な仕事は本分ではないとばかり、ヨンハが逃げ出すのはいつものことだが、毎度その分も働かされるソンジュンは苦労が絶えないだろう。人の倍の早さで仕事をこなす彼の有能さがなければ、斎会はとてもじゃないが回らない。

「手伝おうか?」
「いや、きみも筆写の仕事があるだろう。大丈夫だ。急いで終わらせて帰るから」

わかった、と返事して、ユニは『少し屈んで』とソンジュンに手振りで示した。
素直に身を低くして顔を寄せたソンジュンの耳元に、ユニはそっと手巾を押しあて、流れる汗を拭った。

「頑張ってね」

そう言ってにっこり笑うと、ソンジュンは一瞬、不意を衝かれたように呆けた顔をした。そしてさっと身を起こし、辺りを見渡して周囲に誰もいないことを確かめる。

「ごめん。男同士ですることじゃなかっ……」

言い終わらぬうちに、くいっと両肩を引き寄せられ、唇を塞がれた。
ユニが驚いて目を見開くと、甘い行為とは裏腹にソンジュンは表情を厳しくして、言った。

「今のはきみが悪い。こんなところでそういう顔をしては駄目だ」
「そういう顔って……?」

くちづけしたくなる顔、と微笑って、ソンジュンは踵を返した。
遠ざかるソンジュンの背中を見送りながら、ユニはどうしても口元に浮かんでしまう微笑みを抑えるのに苦労した。

ソンジュンと別れ、緩みがちな頬を手で軽く叩きながら伝香門を出たユニは、そのすぐ脇に人がうずくまっているのに気付き、ぎょっとした。よく見れば、見知った顔である。

「チェソンの───兄上?」

お?とユニを見上げた髭面は確かに、パク・チェガだった。

「お前は……イ・ソンジュンだったな」
「あ、ええと、はい。あの……キム・ユンシクとの勝負なら、今日はたぶん、無理だと思いますよ。斎会の雑務で忙しいみたいですから」

そうか、と視線を落としたチェガは、だが、そこに座り込んだまま一向に腰を上げようとしない。
なんとなくいつもと比べ元気がないように見えて、ユニは恐る恐る尋ねた。

「あの……どうかしたんですか?どこか具合でも?」

チェガは「はあぁ」と盛大な溜め息をつくと、ますます肩を落として、言った。

「俺はどうして、キム・ユンシクに勝てないんだ……」

ああそういうことか、とユニは納得する。

「絶対に勝てると思っていた相撲〈シルム〉さえ、勢い余ってあっさり転がされた。俺はそんなに駄目な男か?俺には士大夫を名乗る資格もないというのか?」

こんな大きな図体をした男が、頭を抱え、苦悩している姿は見るに忍びない。嘘をついている後ろめたさもあって、ユニはなんだか彼が気の毒に思えてきた。
なにせこの男が恋敵キム・ユンシクだと思って相手にしているのはあのイ・ソンジュンなのである。
もともと、腹が立つほど何でも器用にこなす完璧男であるのに加え、こういう、単純明快で思っていることがすぐ顔に出る手合いは、ソンジュンの最も得意とする相手だ。心理戦に持ち込まれれば、まず勝ち目はないだろう。

膝に手をつき、身を屈めたユニは、俯いているチェガを覗き込むようにして、言った。

「そんなに、落ち込まないでください。彼が、普通じゃないんですから。イ・ソ……キム・ユンシクに勝負を挑むなんて、そんな勇気のある者は成均館にはいません。それだけでも、貴方は立派だと思います」

チェガが頭を上げた。ユニは彼を励ますように、にこっと笑って見せた。たちまち、チェガの顔は ぼっ、と火がついたように赤くなった。

「おっ、お前、キム・ユンシクの友人でありながら、俺を慰めるのか?」
「はい。チェソンもぼくにとっては大事な友人ですから」
「イ・ソンジュン……いや、確かお前、テムルと呼ばれていたな」
「あ、はい」

成均館にあだ名で呼び合う慣習があるのは幸いだった。未だにチェガに嘘がバレていないのはそのお陰もあるだろう、多分に。

「テムル!」

いきなり、チェガがユニの両手をむんずと掴み、握り締めた。

「お前は良い奴だ!そんなちびっこいのに、大物〈テムル〉なんて呼ばれてるのが不思議でならなかったが、今ならわかるぞ!これからもチェソンをよろしく頼む!」

このとおりだ、と年下のユニに向かい頭を下げる。ユニは、なんだかますます妙なことになったなと思いながら、曖昧に微笑むのだった。


*   *   *

「ほーお。それで、同情しちゃったわけだ。イ・ソンジュンの一番の味方であるはずのお前が、敵であるパク・チェガに」

閉じた扇子で自分の肩を軽く叩きながら、ヨンハが面白そうに言った。
そこは、ヨンハの私室である。文机を挟んで座るユニは、唇を尖らせて反論した。

「そういう言い方はやめてください。そもそも敵味方もないでしょう。初めからぼくがキム・ユンシクだって正直に言ってれば、なんてことなかったんだし」
「まぁそう言うな。カランだって、お前を守るのにいつも必死なんだ。成り行き上、こうなっちまったもんは仕方ない」
「それは……よくわかってます」

ユニは俯いた。よくわかるからこそ、早くやめさせたいのだ。お互いにとって何の意味もない、こんな決闘など。

「ま、お前の口からカランにはなかなか言い出せないよな。パク・チェガが可哀想だから勝負をやめろ、なんてさ」
「チェソンの兄上は、何か一つだけでも勝つことができたら、それで諦めると言ってます。それまでは、意地でもやめられないと。だけど、イ・ソンジュンはあの性格だから、自ら負けるなんて絶対にあり得ないし」

ため息混じりに言うと、ヨンハが呆れたように笑った。

「テムル、お前も大概だな。わざとでもない限り、イ・ソンジュンがあの男に負けるわけないって思ってるのか」

確かに、そう言っているも同然だった。ユニはちょっと赤くなった。

「で、でも実際そうだし……。あのイ・ソンジュンに苦手なものなんて……」

ヨンハは文机に肘をつき、ユニの方に身を乗り出すと、にんまりと口の端を上げた。

「あるじゃないか。天下無敵の完璧男、貴公子の中の貴公子、イ・ソンジュンが、どう頑張っても克服できない、唯一の弱点」

ユニは暫く眉間に皺を寄せて考えていたが、やがて「あっ!」と膝を打ってヨンハを見た。




「お酒だ!」





つづく
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2015/07/23 Thu. 17:54 [edit]

category: 幻月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: Qouさま

初めまして!お越しくださいましてありがとうございます。
恐ろしく遅い返信で、見ていただけるか甚だ不安ですが…(^^ゞ

ドラマによっては、メインよりもサブキャラたちのラブラインが気になることってありますよね~
あまるの場合は「シンイ」がそうでした(笑)
最近やっと観れた「主君の太陽」でも、ソ・イングクと小さいテヤンのツンデレっぷりがちょっと可愛かった(^^)

幻月、途中でほんとすみません。実はまだお話の本筋にも入ってないです…(^^ゞ
今回のメインにするつもりのキャラさえまだ出てないし(爆)
も少し練り直して、なるべく早く続きをお見せできたらと思っております。

今後ともよろしくお願いしますね~。

あまる #- | URL
2016/01/20 19:00 | edit

Re: コリ姐さま

ご無沙汰しております~。
見捨てず来ていただけて嬉しいです。
今更なコメ返で申し訳ございませんm(__)m
自分のブログどころか近頃は自宅PCも殆ど触ってないような状況で(^^ゞ
不器用人間なもので、いっぺんにいろんなことできないんですよね…。

> ハ・ジウォンちゃんより、確かにミニョンちゃんの方がお似合いですね。

でしょでしょ~(^^)
チャン君の他のドラマも観ましたが、大人系の女子よりカワイイ女の子、ってカンジの子の方が合うような気がしました。
ミニョンちんの場合は、あの身長差もツボです。

お話の方は……そ、そのうちボチボチと(^^ゞ
ここ数日いきなり寒くなりましたね。風邪などひかれませんようにあったかくしてくださいね~(^^)
厚かましいですが、こちらこそ今年もよろしくお願いします。

あまる #- | URL
2016/01/20 18:43 | edit

初めまして

初めまして
初めて此方のblogを拝見しました

個人的にドラマは
自分は
何方かと言うと
龍在の友情系や
仁秀と貂蟬の
恋愛モード行くか行かないか?ってのが
気にして観てました

ユチョンファンですが…

今回『幻月』の5の
もう少しで終わり?ってとこで
終わってしまい個人的に一寸モヤモヤですw

自分は水月ことユンが気に入りました
是非 在信と対峙し
ライバルならではの会話が見たかったですw
そしてその内
仁秀と貂蟬のその後とか
有ったら読んでみたいと思いました

楽しかったです
それでは失礼しました

Qou #- | URL
2015/12/31 20:15 | edit

ご無沙汰しておりましたぁ。あまる師匠~(^◇^)
今年も師匠の美しい文章、見事な流れのソンス・オクセジャに癒されました。
得にまだ成均館へ就学中のユニソンの一目を忍んでのイチャイチャにおばさんはドキドキしっぱなしでございましたぁ♡

dTVは私の友人も加入していて、韓国と中国ドラマにハマっているもよう…男なんですけどね(笑)面白い!って言ってました。
確かに、チ・チャンウクはカッコいいですね
奇皇后は全部見ましたが、切ない終わり方でした。
ハ・ジウォンちゃんより、確かにミニョンちゃんの方がお似合いですね。
年齢的なものなのかしら?(笑)

あっという間に12月ですね。
お仕事などでお忙しいことと思います。(飲む機会も増えますし(笑)
暖冬とやらで、気温の寒暖差が激しい今日この頃、くれぐれもお体をご自愛下さいマセm(__)m
ちっとばかし早いよーな気がしますが、来年も素敵な物語を届けて頂けたらと思っております。(催促してるつもりはありませんが…催促に聞こえちゃいますね。すみません)

どうか、来年もどうぞ宜しくお願い致しますデス♪ししょー(#^.^#)
長文失礼しましたm(__)m

コリ姐 #- | URL
2015/12/12 04:17 | edit

Re: めぐめぐさま

コメありがとうございます(^^)
うう、横アリのユチョン、私も行けなかったですけど、これまでの長き道程に比べたら2年なんてあっという間ですよ、きっと。
ええきっと。(´;ω;`)ブワッ←涙腺決壊

ウチのソンジュンなんかでゆちょ補給になるかどうか限りなくアヤしいですが(笑)更に男前になって戻ってきてくれることを祈りつつ、一緒に乗り切っていきましょ~(T_T)

あまる #- | URL
2015/07/26 03:27 | edit

連日の更新ありがとうございます ٩(*´◒`*)۶♡あまるさんのイソンジュンは私の心の清涼剤です~
今日のユチョンの涙と向日葵畑は見れなかったけど、てんちか堂でユチョン補給しつつ、軽く浮気もしながら← 2年3年、気長に待ちたいと思います。ここで待たせてもらってもいいですか??

めぐめぐ #3FtyQ0do | URL
2015/07/23 22:54 | edit

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