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幻月 4 


続きです。

駄目だ……眠い(=_=)
なんかおかしいとこあったらスミマセン。後で修正します~。

*********************************


───ああやっぱり。

ソンジュンの纏う空気が確実に温度を下げたのを感じて、ユニはもう少し話の切り出し方を考えるべきだったと後悔した。
もう一年以上も前のことなのに、スウォルの名は未だにソンジュンの前では“禁句”なのだ。
早く本題に入らねばと、つい早口になる。

「あなたがキム・ユンシクだって嘘を突き通すつもりなら、チェソンの兄上に言ってあげるべきだと思うの。スウォルとは特別な関係でもなんでもなくて、お互いにいい友人だって」

はっ、と息を吐いて、ソンジュンはユニの方に膝を向けた。

「男女間の友情など、あの男が信じると思うか?」
「それは……」
「友情なんて言葉ほど胡散臭いものはない。この僕が言うんだから間違いはない。それに、友人だと思ってるのはきみだけで、スウォルはそうは思っていない」

あまりにきっぱりとした物言いだったので、ユニは少しばかりムッとした。

「どうして断言できるの?そんなの、わからないじゃない」
「いや、わかる。一時は僕もスウォルと同じ立場だったから、わかるんだ」

もう元には戻れない、と一方的に告げて、ソンジュンがユニを拒絶したあの頃のことを言っているのだろう。
理由がわかった今でも、あのときのことは思い出すだけで悲しくて、ユニの胸は ぎゅっと縮こまるように痛んだ。

「……訊いてもいい?」

ソンジュンが視線を上げ、ユニを見た。了承と受け取って、ユニは言った。

「あなたが私のことをまだ男だと思ってたとき、それが友情じゃなくなったのはいつから?どうしてそう感じたの?」

ソンジュンの耳の先が、ほんのわずかだが赤くなった。

「それは……コロ先輩やヨリム先輩への気持ちと、きみに対するそれとでは全然違っていたから」

落ち着き無く目を泳がせて、ソンジュンが言う。途端にいつもの意地悪心が顔を出し、ユニは更に詰め寄った。

「どこが?どんな風に違ってたの?」

ソンジュンは天井を仰いでひとつ息をつくと、何かを覚悟したかのように、ユニの目を正面から見据えた。

「きみに教わった。二人で、無人島に閉じ込められたとき」
「私が……?」
「その人のことを思うと、胸がドキドキしたり、気がつくと、その人のことばかり考えてたり。ほんの些細なことで、気分が舞い上がったり、逆に、地の底まで落ち込んだり。それでもやっぱり、会いたくなる……そんな気持ちだ」

何の照れも躊躇いもない言葉に、ユニは思わず頬を赤らめた。
確かにあのとき、無人島でパチパチと爆ぜる焚き火の音を聞きながら、ソンジュンにそう言った。
芙蓉花との縁談の話を聞いて、ずっと心が騒いでいた。
彼女が好きなのかと訊いたら、考えたことがないと言うので、ユニなりに、伝えたのだ。
誰かを恋しいと想う、その気持ちを。

ユニが胸に思い描いていたのは、すぐ隣に座っていたソンジュンに他ならなかった。
そうしたら、まるで見透かされたように『そんな人がいるのか』とソンジュンに訊かれた。
まさかあなたですとは言えず、どぎまぎしてしまったのを覚えている。
あのとき、自分は何て返事をしたのだったか───。

懸命に思い出そうとしていると。

「───それと」

と言って、ソンジュンがユニの手を取った。いきなり、過去から現実に引き戻されて はっとする。
ソンジュンは胸の辺りの高さで互いの掌を合わせると、ごく自然に、ユニの指の間に自分の指を滑り込ませた。ただそれだけの仕草に、どうしてこんなにどきどきさせられるのか。
彼女の小さな白い手は、ソンジュンのしなやかな指先に囚われて為す術もなく途方に暮れているように見えた。

「ずっと、きみに触れたいと思っていた。───こんな風に」

握り締めた手を引き寄せられ、唇が重なる。交わすくちづけは、もう何度目になるのかわからない。なのに、昔の記憶の余韻のせいか、まるで初めてのときのようにユニの胸は震えた。

やがて、微かな水音をたてて、唇が離れる。額と額をくっつけあったまま、二人は熱い息を零した。

「……つまり、友情と愛情の境目は、相手に情欲を感じるかどうかってこと……?」
「少なくとも僕はそうだ。現に今も、きみが欲しくてたまらない。……きみは?」

ゆっくりと押し倒され、耳を甘咬みされる。ソンジュンの吐息と、甘く響く低い声にぞくりと全身が粟立った。

「言ってくれ。どうして欲しいか」

耳元で囁くだけで手を触れないのは、きっとわざとだ。いつもの仕返しのつもりなら、なんて酷い。
ユニはもう二度と、ソンジュンをからかったりしないと決めた。
ソンジュンの首に腕を回し、恥ずかしさを堪えて、囁く。

「……触れて。もっと」

ソンジュンの唇の端が、優しく上がった。
互いに服を脱ぐのももどかしく、温かな肌を合わせる。
溜め息のような声が唇から溢れるたびに、淡い指遣いでユニの身体を滑ってゆくソンジュンの手。
ますます煽られて、身も心も溶かされていく。

焦らされても、満たされても。
あなたが欲しいのは同じ。
いったいどれだけの夜を重ねれば、私たちは満足するのだろう───。

「……足りないんだ」

汗ばんだ首筋に顔を埋め、いくつもの唇の痕跡を残しながら、ソンジュンが苦しげに言った。

「こうして……きみとひとつになっていても、まだ、きみが足りない」


私も、という言葉は、全身を貫いた落雷のような感覚に、声にならなかった。





つづく
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2015/07/19 Sun. 02:53 [edit]

category: 幻月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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