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心宿 4 


ご無沙汰しております、あまるです。
久々に自分のブログ開いたら、またしても広告!
しかもそれが、ここ数日ワタクシの職場を超ハードにしてくれたまさしく元凶の商材で、なんつーかもう苦笑するしかないという(^^ゞ
えー、既に忘れ去られている可能性大のおはなしの続きです。どーにか終わらせました。

ところでさっきテレビ見てたら、キリンの「のどごし ALL LIGHT」のCMやってまして、そんときの小出恵介が一瞬ユチョンに見えて心臓バクバクしてしまった。小出恵介くんがユチョンに似ているとは決して思わないのですが。
あかん。ワタシもうヤバいとこまできてるワ……。

これです。


0:11あたりの、ビール飲んでぶはーってやってちょっと笑うとこ。
ああこれがマジゆちょんだったらどんなにか……←妄想

*****************************

人けのない山道は、時折、地中から低く響く虫の声と、砂利道を踏みしめるソンジュンの足音以外、何も聞こえない。ユニの持つ灯籠がソンジュンの足取りにあわせてゆらゆらと揺れるたび、ひとつに重なる二人の影が、足元で踊った。

背中に密着してくる、ユニの身体。サラシを巻いているというのに、こんなに柔らかいなんてどういうことなんだろう、と、ソンジュンは何か理不尽な思いさえ抱きながら、山道を歩いていた。
儒生服越しに伝わってくる温もりや、ふとした拍子に耳元に触れる彼女の頬が、彼の体温を上げる。
つい先程、新入生たちに邪魔されたことで、中途半端にくすぶることになってしまった熱がまた、彼の身体の芯を焼き始め、鼓動を速くしていた。

そして、思い出した。
入清斎の、あの夜。キム・ユンシクへの行き場のない想いを抱えて、殆ど自暴自棄になっていた頃だ。
飲み過ぎてぐったりとした身体を、無防備にジェシンの背に預けていた、ユンシクの姿。
未だに、あの光景を思い浮かべただけでじりじりと胸がうずくのに、あのときのジェシンが今の自分と同じ柔らかさと温もりを背中に感じていたのかと思うと、どうにも抑えようのない感情が身体の中で暴れ回る。

「重くない?」

ふいに、ユニが尋ねた。ソンジュンは前を向いたまま「大丈夫だ」と短く答えた。そのまままた、地面を睨みつけるようにして黙々と歩き続ける。

「あの……まだ、怒ってるの?」
「どうして」
「ずっと黙ってるから」

自分の心の奥に、暗く澱んだ沼地のような場所があることを、ユニには悟られたくなかった。散々迷ってから、彼は言った。

「怒ってるわけじゃない。ただ……思い出してた」
「何を?」
「去年の、入清斎のときのこと」
「入清斎?」
「きみが、酷く酔っ払って……」

ああ、とユニは言って、バツが悪くなったのかふと黙り込んだ。だが酔い潰れていた彼女には恐らく、ジェシンにおぶわれて部屋に戻った記憶などないだろう。
まるで弁解でもするかのように、ユニは抱えられた足をばたつかせて、言った。

「で、でもあんなに飲んじゃったのは、元はといえば」
「悪かった」
「え?」

暴れていたユニの足が、ぴたりとおとなしくなった。ソンジュンは背中の彼女を抱え直し、また歩き始める。

「僕が、馬鹿だったんだ。あのときの僕には、目を背けることしかできなかった。きみにも、自分自身の気持ちにも」

唇を噛んだソンジュンの前に、そっと細い腕が伸びる。それが、彼の肩をきつく抱き締めた。泣きたくなるほどの温かさが、彼を包み込んだ。

「それを言うなら……謝るのは私の方よ。ずっと、嘘をついてたんだもの。あなたは、何も悪くない」

山道の入り口を示す松明が、もうすぐそこに見えている。揺らめく炎をじっと見据えながら、ソンジュンは言った。

「約束……してくれないか」

「なに?」と少し首を傾げたユニの吐息が、ソンジュンの耳元をくすぐる。
甘い感覚が肌を這うのにぞくりとしながら、彼はぼそぼそと言った。

「酔っ払ったっていい。怪我も……いや、怪我はして欲しくないが、そそっかしくても構わない。だけどこの先、こんな風にきみを背負って歩くのは、絶対に僕だけだ」

子供みたいな我侭だと、彼女はいつものように笑うだろうか。
ちらりと背中の方を伺うと、微笑むような息遣いがまた、ソンジュンの頬をかすめた。

「お願いすれば、あなたが必ずおぶってくれる?」

悪戯っぽい声で、ユニが尋ねた。

「きみが望むなら」
「私がおばあちゃんになって、足腰が立たなくなっても、だよ?」
「当然だ」
「じゃあ、約束する」

いともあっさりそう言って、ユニはふふっと笑った。

「私もね、思い出したことがあるんだ」
「何を?」
「昔、お父様に肩車してもらったことがあったの。今日みたいに星が綺麗で、私が庭先でずうっと夜空を見上げてたら、いきなり持ち上げられて。『よく見えるかい?』って」

見上げると確かに、頭上には降るような星が瞬いていた。

「星を、見てたのか?」

うん、と言って、ユニが空を振り仰ぐ気配を背中に感じた。

「子供だった私には、あの頃のお父様はとても大きく見えたから。ちょっと怖かったけど、星がうんと近くなったような気がして───あ、あれ、あの星!」

そう声を上げて、ユニが南の中空を指差した。

「あそこ、ひとつだけ、赤く光ってる星があるでしょ?あれを見つけて、大騒ぎして、お父様の肩から落っこちそうになったの」

肩車されていることも忘れて飛び跳ねる少女と、慌てる父親の姿が目に浮かび、ソンジュンは思わずくすりと笑みをこぼした。

「───”心宿”」

え、と訊き返したユニに、ソンジュンは足を止めて、言った。

「あの星の名前。あれは、龍の心臓なんだ」
「龍の?」

ユニが、灯籠を持っていない方の手を伸ばして、指先で星のかたちを辿る。

「ほんとだ。あっちが頭だね」

少女のように弾んだ声で、彼女は言った。

「すごく、きれい」

赤く燃える、龍の心臓。
ユニの目にはきっと、玉石のように眩く、美しく見えるのだろうその光が、ソンジュンには何故か禍々しいものに思えてならない。
息絶えた己の身体を焼き尽くしてなお燃え続ける龍の心臓が、周囲のものすべてを巻き込み、滅ぼさないとどうして言える?
鎮める術などあるのだろうか。天に棲む龍ですら扱いあぐねた、この心を。

小さくついた溜め息に気付いたのか、ユニが不満気に言った。

「また何か一人で考え込んでる」
「……きみが僕を困らせるからだ」
「そんなに重いなら、降ろしてよ。歩くから」
「そういうことを言ってるんじゃない」
「じゃあ何なの」

言えるわけがないだろう、とソンジュンはまた、やり場のない思いを深い息とともに吐き出す。
暫しの沈黙のあと、ぽつりと、ユニが言った。

「……いいよ」

消え入るような声だった。
「何が」とソンジュンが問うと、「だから」と苛立ったようにユニの爪先が揺れる。

「───享官庁」

ぴたりと、ソンジュンは歩みを止めた。

「本当に?」

思わず肩越しに振り返るとすかさず、ユニの手で くいっと前を向かされる。

「恥ずかしいからこっち見ないで」

わかった、とソンジュンは短く答えて、小さく咳払いした。
とはいえ、山道を降りる彼の足は、そうと意識しなくてもどうしたって速くなる。
それに気付いたのか、ユニが彼の背中で小さく笑った。つられるように、ソンジュンも笑った。

自分の中にある気持ちに、怖れにも似たものを感じることは今もある。それは、キム・ユンシクに恋していたあの頃から同じだ。だが少なくとも、彼女がこうして受けとめてくれる限りは、きっと、怖がる必要などないのだ。
燃え盛る心臓が、たとえこの身を焼き尽くしても。


その年の新榜礼の夜は、まだしばらくは、明けそうもなかった。



おわり。
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2015/02/05 Thu. 14:26 [edit]

category: 心宿

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

cm 4  tb 0 

コメント

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# | 
2015/03/30 23:06 | edit

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# | 
2015/02/15 22:02 | edit

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# | 
2015/02/11 22:12 | edit

脳内変換

あまるさん あんにょん!

ご無沙汰してました~~☆
心宿ってどんな意味なのかまったく知らなかったのですが
星座でいうと、さそり座の事だったんですねv-352

そしてユニを背負うソンジュンの顔が
喜んだり 難しい顔になったり・・脳内で激しく変化して萌えてました(笑)

あまるさんのお話ってやっぱり素敵です!
癒されましたv-351

ちびけん #a.bU6lrI | URL
2015/02/07 22:01 | edit

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