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最終話 5 未来への覚悟 

bandicam 2014-03-15 03-53-56-253
このわざとらしい驚き方が笑いを誘いますwwうもーアナタだって喜んで読んでたでしょうが!!
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小走りで逃げ込んだ尊経閣には人の気配はなかった。ユニはまるでかくれんぼでもしているかのように、林立する書架の間で身を小さくした。
棚に記された『書経』や『孟子』の文字が、自分を冷たく咎めているような気がする。

どうしてあんなはしたないことを言ってしまったのだろう。
ユニが男三人と同じ部屋で雑魚寝しただけで、眠れなくなるくらい気を揉む彼だ。昨夜はどうにか酒のせいにできたとしても、先ほどの失言ばかりは言い訳のしようもない。
ソンジュンはもう、自分のことを貞淑な娘だとは絶対に思ってくれないだろう。
ただでさえこんな格好で男に紛れて、女らしさなんて欠片もないというのに、この上貞淑さまで失ったら、自分でも女だと言える自信がなくなってしまう。

ユニが死にたくなるほどの自己嫌悪に苛まれているところへ、軋んだ音とともに扉が開いた。書架の間からそっと伺うと、ソンジュンが眉間に皺を寄せた険しい顔をしてこちらへ歩いてくるのが見えた。
ユニはますます通路の奥に引っ込んで縮こまった。いっそ消えてしまいたいと思ったが、ソンジュンは難なくユニを見つけ、その背後でぴたりと足を止めた。

「白状しろ。貰冊房で、どんな本を筆写していた?」

冷ややかな声が問う。ユニが背中を向けたまま答えられずにいると、彼は更に言った。

「もしや、いかがわしい小説を専門に……」
「そんな、専門になんてやってない!たった三回だけだよ!」

振り返って、思わず言ってしまっていた。ご丁寧に、指を三本立てさえして。ソンジュンの目が、殊更に大きく見開かれた。

「三回?!三回もやったのか?本当に?」

立てた指を力なく元に戻しながら、ユニは消え入るような声で言った。

「あ、あの仕事は、報酬がいいんだ……」

もちろん普段は断っていたのだが、あのときは兵曹判書から借金の返済を迫られていて、切羽詰まっていた。それに、『若様もホントは好きなんでしょ』とニヤつきながら勧めてくるファンに対し、あまり頑なに拒み続けるのも不自然に思われる気がして、ついつい引き受けてしまったのだ。

ソンジュンはユニを見下ろしながら、深く息を吐き出した。

「きみの入学前の生活は、僕にはわからないからな」

そう不機嫌に言って、ふいと横を向いてしまう。

(どうしよう……。きっと呆れてる。それとも、すごく怒ってる?)

上目遣いに伺うと、手にした本を無造作に開いたソンジュンがちらりとユニに視線を投げて、言った。

「家庭訪問だ」

唐突な言葉に、え?と顔を上げる。

「次の帰宅日に、きみの家へ行って確認する。いいな?」

冗談なのか本気で言っているのか判らずに(いやそもそも彼は冗談は得意ではないのだ)ユニは思わず訊き返した。

「うちに、来るの?南山の家に?」
「まさか、別宅があるのか?」
「そうじゃなくて。どうして、うちに……?」

いくらなんでも本当にユニのこれまでの仕事を確認したいわけではないだろう。だとしたら。
ユニの心臓が、急に早い鼓動を打ち始めた。
すると、ユニの推測を肯定するように、ソンジュンは言った。

「独身の男が恋人の家に行くと言ったら、理由は一つしかないだろう?」

“恋人”。
その言葉をソンジュンが口にする度に、ユニの胸にぽっと熱い火が灯るのを、彼は知っているのだろうか。
自分が、ソンジュンにとってそういう存在になれたことさえ、ユニは未だに信じられず、慣れることができないのだ。
その上、彼はユニの家に行くという。
それはつまり、彼がユニの母に会いに来るということで、その行動の意味するものは。

「本当に……来るの?」

恐る恐る、ユニは尋ねた。こんな、まるで夢やお伽話みたいなことが、実はつまらない勘違いや単なる冗談だったりしたら、次の瞬間には奈落の底だ。とても立ち直れない。
自分を守るために身についてしまった用心深さが、ユニの表情を固く強張らせていた。それはどう好意的に見ても、恋人の求婚を受ける娘のそれではなかっただろうと思うのに、ふと和らいだソンジュンの目は穏やかで、限りなく優しかった。

───わかってる。きみはまた、怖がっているんだろう?だが言ったはずだ。どんな状況でも、僕は必ずきみのそばにいると。

ユニを見つめる彼の瞳が、そう語り掛けてくる。

「困難な道程になる。覚悟しておいてくれ。僕は、もう準備はできているから」

党派の壁も、生まれ育った境遇の違いも。それによってこれから味わうことになるであろう様々な苦難も。
彼は、充分に覚悟した上でユニに告げているのだ。
一緒に、乗り越えてくれと。

躊躇いがちに伸びてきたソンジュンの手が、ユニの手を握り締めた。繋いだ手から伝わる温もりと力強さは、あの日、王の密命を受け、不安に圧し潰されそうだったユニの心を救ってくれたときと同じだ。
そして今も、怖がる必要などない、きみは幸せになっていいのだと、怯えるユニを暖かく包み込んでくれる。

それは初めて、ユニがソンジュンと共にいる未来をはっきりと意識することのできた瞬間だった。






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2014/03/15 Sat. 04:04 [edit]

category: 最終話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re:じ****んさま

オソロシク亀レスで申し訳ないデス……m(_ _)m

ドキドキですか?ありがとうございます~(^^)
そしてコメ返以上にトロトロ更新ではありますが(^^ゞラストまでよろしくお付き合いくださいましぇ。

あまる #- | URL
2014/03/20 01:20 | edit

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# | 
2014/03/15 14:12 | edit

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2014/03/15 08:07 | edit

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