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お月様が見てる 2 

本日も番外編の更新です。
……しかし何なんでしょうかしら。この当社比100%増な拍手の伸び率(^^ゞ
普段が普段なだけに笑うしかないわ~(笑)

いやいや、嬉しいです。ありがとうございます~。
拍手コメくださった方々にも、この場をお借りして改めてお礼を。
いちおう鍵コメなので、お名前は出さない方がいいのかな?なんかそのへんのルールとかよく知らなくって、スイマセン。でもちゃんと読ませていただいてます。根性ナシのワタクシにとって、この上ない励みです。ほんとにありがとうです。(^^)

 ではでは、続きは下のリンクからどうぞ~



 
**********************************************************



成均館の敷地内、最も北の外れにぽつんと建つ享官庁は、かの紅壁書が傷を負った折、身を隠すのに選んだ場所だけあって、普段は誰も近づかない。この時間ともなれば尚更だが、それでも油断は禁物だ。井戸もかまども室内にあったことは、実に好都合だった。ここでは自然、ソンジュンが水を汲み、ユニが火を熾すという役割分担がいつの間にかしっかり出来上がっていた。

「完璧だ」

湯桶にたっぷりと張られた湯の中に片腕を突っ込み、ソンジュンが満足気に呟く。
ぬるすぎては風邪をひくし、熱すぎても身体に悪い。外気温と、時間経過による温度低下まで計算した絶妙な湯加減というものが彼にはあるのだが、肝心のユニはどうもその辺りがおざなりだ。放っておくとどんどん湯を足して地獄の釜のようにしてしまうから、最後の調整は必ずソンジュンがすることになっている。

「もういいの?」
「ああ。冷めないうちに済ませた方がいい。今日は少し冷えるから」

捲り上げていた袖を戻しながら言うと、白く立ち昇る湯気の向こうで、ユニが嬉しそうに笑った。

「じゃあまた、後でね」

外に出たソンジュンに向かい、扉の影から顔だけ覗かせたユニが、小さく手を振る。軽く手を上げてそれに答えてから、ソンジュンは扉に背を向け、後ろ手を組んでそこに立った。
と、一旦閉じたと思った扉がまたギイッと音をたてて開いた。

「あのさ」
「何だ?」

横顔だけを向けたソンジュンに、ユニが尋ねる。

「ぼくがお風呂に入ってる間、君は何をやってるの?」
「何も」
「見張ってるだけ?」
「そうだ」
 
ふーん、とユニが鼻を鳴らした。

「───覗かないでね」
「な……」

絶句したソンジュンが振り向くが、扉は既に閉じられた後だった。板壁の隙間から、橙色の蝋燭の灯が細く漏れているばかりである。
まったく何を馬鹿なことを、とソンジュンは少しばかりムッとする。ヨリム先輩じゃあるまいし、この僕がそんな破廉恥な真似をするものか。

やがて、かすかな水音が、享官庁の扉の向こうから聞こえてきた。

とはいえ。

いかなソンジュンといえども、れっきとした成人男子である。そんな音を聞くと落ち着かなくなるのは彼自身も認めざるを得なかった。そういうつもりはなくとも、つい想像してしまうのだ。その水音をたてている彼女の、しなやかな腕や、肌の上を滑っていく指先や、ほっそりとした脚や……そして、透明な水がつうっと流れ落ちていく、白い胸元を。

───何を考えてるんだ、僕は。

ソンジュンは頭を振り、そこに浮かんだ一切の情景を追い出そうとした。享官庁の前を行ったり来たりしながら『詩経』の一節を必死で暗誦し、それでも足りずに、算学の数式まで引っ張り出して計算した。

なのに。

「あの……そこにいる?」

か細い声が、またしても彼の頭と心をかき乱そうとするのだ。

「どうした?」

努めて平静を装い、聞き返す。

「べつに……ただぼくってさ、君に気苦労ばっかりかけてるなって、思って」

ちゃぷん、と。
指先で水面を弾くような音が、聞こえた。

「何を今更、改まって…」
「だって普段、面と向かっては言いにくいんだもの。ぼくの我儘でこんなことになっちゃって、悪いとは思ってる……ほんとに」

王に女だということがバレてしまってからも、ユニは成均館で学ぶことを望んだ。薬の必要な弟のため、生活のため。それももちろんあるだろう。だが彼女がここに残りたかった一番の理由は、学問だ。
学べば学ぶほど、欲が出るのはどうしようもない。もっと知りたい、学びたいという情熱を、女だからという、ただそれだけの理由で断つことなど、彼女にはとうてい無理な話だった。

それを我儘だなどと、どうして言える?

「そんな風には、思っていない」
「え?」
 
呟くようなソンジュンの声が、ユニには聞き取れなかったようだった。ソンジュンは享官庁の軒下まで戻ってくると、淡く灯の漏れるその扉に背中をもたせかけた。
ふと仰ぎ見た空には、下弦の月が、なんとなく心許なげに架かっている。薄い雲が、ゆっくりと流れていった。

───半分では駄目だ。

ソンジュンは思う。
空に架かるあの月だって、半分欠けていたら、あんなに中途半端で、あんなに頼りなげで……しかも、なんだか間抜けに見える。

「きみが我儘だとか、きみのために僕が苦労してるとか……そんな風に思ったことはない。これは僕が、自分のためにやっていることだから」
「でも……」
「そんなに気になるなら」

少し躊躇って、ソンジュンは言った。

「東斎を出て……一緒に住むか?」

ばしゃん、と、ひときわ大きな水音が響いた。

「成均館へは、二人で通えばいいし」
「あ…えと、その」
「父上にはお許しをいただいてるから、後はきみの御母上にご挨拶するだけだ」
「だけど…あの」
「きみの弟や、御母上のことも、心配いらない。僕が面倒をみるから」
「………。」
「結婚しよう」

静寂が、降りてきた。しばらく待ってみたが、返事はない。扉の向こうからは水音ひとつ聞こえなくなって、ソンジュンは急に不安にかられた。

「───ユニ?」

そっと声を掛けてみる。と、かたん、とカンヌキの外れる気配がして、軋んだ音をたてながらゆっくりと扉が開いた。
ふわりと、甘い香りが漂った。普段はあまりわからないが、彼女を抱き締めるとき、彼女に口付けするとき、いつもソンジュンの鼻腔を優しくくすぐるあの香りだ。
湯浴みをしたせいで、いつもは微かなその香りが一層濃密になって、ソンジュンを一瞬、恍惚とさせる。
白い単衣だけを纏った姿で彼の横に立ったユニに、またも無意識に触れそうになって、ソンジュンは はっと、伸ばしかけた手を引っ込めた。

「……君に、そこまで甘えるわけにはいかない」

濡れた髪が頬にかかり、ユニの表情を見えなくしている。だが今彼女がどんな顔をしているかくらい、声の調子でソンジュンにはわかる。

「どうして?」

彼は静かに訊ねた。

「だってぼくは、今のままじゃ奥さんらしいことなんて何もしてあげられない。なのに、ぼくの家族の面倒はみてもらうだなんて、そんなの虫が良すぎる」
「おかしなことを言うんだな、きみは」

丸い瞳が「え?」と彼を見上げた。

「今までのきみは、子供らしいことも、娘らしいことも一切してこなかったのに、どうして今更、奥さんらしいことをしようなんて考える?そんなことを、僕がきみに望んでいるとでも思っているのか?」
「でも」
「キム・ユニ」

ソンジュンはユニの肩に手を置き、自分の方を向かせた。

「僕の妻になる気はあるか?」
「え……?」
「ちゃんと答えてくれ。僕の妻になるか?」

ユニは黙って、だがはっきりと頷いた。ソンジュンは微笑むと、言った。

「なら、今この瞬間から、きみの家族は僕にとっても家族だ。家族を守るのが、家長の務め。その務めを果たすために僕が何をしようが、きみが気に病むことはない。そうだろう?」

降参したように笑って、ユニは額にかかる髪を掻き上げた。

「何を言っても無駄だね、イ・ソンジュン。口では誰も、君に勝てる人はいない」
「いや……そうでもない」

ソンジュンはユニの手を取って引き寄せると、そっと唇を重ねた。最初はついばむような口付けも、重ねあう毎に、だんだん熱を帯び、より深いものになっていく。抱き締める彼女の身体から、くたりと力が抜けるのを確かめてから、彼は言った。

「……こうやって塞がれたら、手も足も出なくなる」

そのまま、上気した喉元を唇で辿る。彼女の、濡れた髪の匂い。瞬時に溶解してゆく、理性。
細い首筋に顔を埋めたまま、囁いた。

「つまり、最強なのはきみだ」

ユニが、微かに身体を震わせた。小さな手が、ぎゅっとソンジュンの腕を掴む。

「イ・ソンジュン……あのっ…」
「ん?」

ユニの口元が、奇妙な形に歪んだ。


「ぼ、ぼく……は…は…ぶえくしゅっ!!



馬鹿でかいくしゃみが、夜のしじまに響き渡った。


* * *

翌日。

「二人して風邪ひくなんてさぁ~。ぜーったい怪しいよね~。いったい何してたんだか。や~らし~」

掌議ヨンハの執拗な攻撃に、ユニとソンジュンは真っ赤な鼻をズルズルいわせながら、黙って耐えるしかなかったのだった。





おわり。





*********************************************************

ベタすぎるオチですんまそん。
なんかさ~ソンジュンってばヒョウンへのうそプロポーズはちゃんとしてたのにさ~肝心のユニっこにはなんだそれ~って感じのしまらない真似しやがったからさ~ついついユニっこが可哀想になっちゃったのさ~
ということで許してください。ではまたそのうち。





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2011/08/25 Thu. 04:19 [edit]

category: お月様が見てる

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

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# | 
2015/05/19 22:23 | edit

Re: tomy44 さま

いらっさいませ~。コメントありがとうございます!
ちゃんとオチてましたでしょーか?(笑)
楽しんでってくださいね~。

あまる #- | URL
2014/04/07 02:08 | edit

はじめまして!
話がおもしろい。
「オチ」が最高(チェゴ)!

tomy44 #- | URL
2014/04/04 20:49 | edit

自分の妄想

あまる様、自分で書ければ妄想で泣けたり、あまる様の文章に狂喜乱舞したりしませ~ん。
努力も根性も文才もすべて足りない私に「愛してる」と言ってくれ~という感じです。

あらちゃん #- | URL
2013/01/31 19:03 | edit

Re: あらちゃんさま

プロポーズっぽいのはドラマ本編でもやってるんだけど、いまひとつどころか、
「あんたソレだめね!じぇんじぇんなってないネ!」と何故かカタコト韓国人風味でツッコミ入れてしまったくらい消化不良なものだったので、あらためて。(笑)

あらちゃんさんたら、ご自分の妄想はご自分でカタチにしなきゃーですよ(にっこり)←悪魔の囁き?
↓のようなステキどシリアスな愛の告白&プロポーズもモチロン書いてみたいとは思うんですけどね~。
ワタクシったらコロに敗けず劣らず照れ屋さんなもので……(^^ゞ
でも、いつかはどっかでソンジュンに言わせたいとは思っとります。「さらげ~」って(笑)

あまる #- | URL
2013/01/30 09:33 | edit

初めてのプロポーズ?

あまる様
ソンジュンからユニへ、これは初めてのプロポーズですか?
お月様が見てる、大好きです!

でもしかし、実は私の妄想の中ではユニは一度涙がこみ上げてきて逃げるのです。あまりにも悲しかったあの時を思い出して・・・だって、あんなシリアスなプロポーズしやがってー(T T)
以下妄想手順。
まぁソンジュンはそういうとこ聡くないから自分があの時どんだけユニを傷つけたかわかってないでしょうから、ユニの涙に戸惑う→んで、一瞬オタオタってしたところでユニがソンジュンに背を向けてその場から逃げようとする→つかまえて→後ろから羽交い締め・・・(どこかで見た場面)→そこでやっとあの時のことを思い出したのかと悟り、ごめん君につらい思いをさせたとあやまる。
私は、口では言わないってソンジュンが言ってたけど、やっぱり「君を愛している」と言ってほしい。
だって、その言葉はうそプロポーズでは言っていない、ソンジュンの心だから。あの時を上回るどシリアスなプロポーズじゃなきゃ私、もとい、ユニの傷は癒えないのです~(4949)
・・・ごめんなさい。本編でだんだん近づいてくるストレスに、あまる様にだだこねました。

あらちゃん #- | URL
2013/01/30 00:41 | edit

阿波の局さま

ワタシもソンジュンにお風呂沸かして欲しいわ~
一緒に入るよりドラム缶風呂でぇ~薪くべるソンジュンと星空の下でまったりするの希望。
時代考証的に無理ですが(笑)

あまる #- | URL
2013/01/19 00:44 | edit

Re: 阿波の局さま

コメありがとうございます(^^)
大好物ですか~?ぐふー。ワタシもです(爆)

私は悪い癖どころか既に息子には病気と思われてますので(笑)
まだまだダイジョブですヨ!<何がだ

あまる #- | URL
2013/01/19 00:35 | edit

> 「完璧だ」
>放っておくとどんどん湯を足して地獄の釜のようにしてしまうから

このくだり、とても気に入りました。
ユニのためにいそいそと湯を準備するソンジュン。
賢いのにお間抜けなユニ。

若いって、いいな~

阿波の局 #bo5zNM.6 | URL
2013/01/18 15:33 | edit

大好物

あまるさん、こんにちは。

なんていうことでしょう。
私、大好物なんです。こういう、アマアマで笑えるお話。

パソコン画面に向かってむふむふ笑う私を見て、また子どもたちが(お母さんの悪い癖がまた始まった)というのも時間の問題です。笑

阿波の局 #bo5zNM.6 | URL
2013/01/18 15:18 | edit

Re: ユニちゃん

いやーん、大胆(笑)
いやいや、ユニはエロ本の筆写で耳年増なハズだから、確信犯カモ……

あまる #- | URL
2012/05/06 00:35 | edit

ユニちゃん

『のぞかないでね』は『のぞいてね』とイコールだから。

ちびた #D4zl0nFc | URL
2012/05/05 14:21 | edit

Re: ぷまっちさま

はじめまして~(^^)お越しいただけて嬉しいです。ありがとうございます!
私もユチョと、ヤツの分身である(と言ってもキャラ全然違いますけど(^^ゞ)ソンジュンをこよなく愛する者の一人ですww

ネットの世界はスバラシイですよね~。ドラマは終わっても、続きを書いてくださるブロガーさんたちのお陰で、ワタクシも日々妄想の補填ができますw
成均館はイケメンとかに比べると二次小説の数が少ないのでちょっと寂しいですけども(いや、ワタシが知らないだけか?^^;)ステキなサイトさんがあったら是非教えてください。

あまる #- | URL
2011/11/24 01:54 | edit

はじめまして。

はじめまして。
ゆちょん&ソンジュン大好きです。

最近、この世界にいろんなお話があると知りました。PCから離れられませんね!

これからも楽しみにしています!

ぷまっちno335 #- | URL
2011/11/22 10:00 | edit

なおすけさま

はじめまして~(^^)
お越しくださいましてありがとうございます!
まさか一日でDVDイッキ見?ほぇ~(笑)
続きは続きでもドラマでなくてワタクシの腐れ妄想の
続きですが(^^ゞ
楽しんでいただけると嬉しいです。

あまる #- | URL
2011/10/08 01:29 | edit

今日ソンギュンガンのDVDを一気見して、続きが気になってたんですよ~!!嬉しい!!
楽しみにしていますね☆

なおすけ #- | URL
2011/10/06 20:40 | edit

Re:みるふぃーゆさま

はじめまして~(^^)
お越しくださいまして、ありがとうございますっ!
ちょっと息抜きのつもりで書いたブツですが、意外に
皆さんに可愛がっていただいてるようで(笑)書いた本人も嬉しい限りです。

リクエストもありがとうございますφ(..)メモメモ
ソンジュンユニママご挨拶編…ぐふふ。いいっすね。(*^_^*)
ご期待に添えるかわかりませんが、本編以外にもときどきこーゆう感じで二人を書いていきたいと思ってますので、よろしくお願いします~

あまる #- | URL
2011/09/05 21:28 | edit

胸きゅんですvV

あの王様に女だとバレてから後のソンジュン×ユニの小説探していました!(笑)
素敵すぎですvVこれぞ「トキメキ☆」です(笑)

ぜひぜひ続きを…!というか、ユニの実家に挨拶に行く話や、ユニになってのデートの話などなど…!!リクエスト・・・・可能ならばぜひぜひ読みたいですっ!!


すっかりファンになってしまいました・・・w
またぜひ来ます^^

通りすがり突然失礼致しました。

みるふぃーゆ #mQop/nM. | URL
2011/09/05 16:56 | edit

いえいえ~(^^)

>みずたまさま

ちゃんと意味わかりますた(笑)
お気になさらず~(^^)

あまる #- | URL
2011/08/26 23:20 | edit

ミステイク★

おはようございます~
お月様が見ている2に書こうとしたコメを間違って1のほうに書いちゃいました~(-_-;)
すみません✿意味不明でしたね・・(>_<)

みずたま #- | URL
2011/08/26 09:47 | edit

No title

>にゃん太さま
ベタなオチならおまかせ(笑)
たぶんこれからも来るよ~^^;ご覚悟のほどを。

>みずたまさま
ユニならありですか?わはは。ですね~。あまるの脳内ではユニはお笑い、ソンジュンはエロ、っていうのが定番になりつつあります(いいのかそれで)

あまる #- | URL
2011/08/25 20:39 | edit

No title

ユニだからアリなんですよ~ このオチ☆
続きまってま~す♡

みずたま #- | URL
2011/08/25 17:33 | edit

がはは

ここだからこそ読める、このオチ。
サイコーv-397

にゃん太 #- | URL
2011/08/25 14:42 | edit

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