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蜜月 4  

番外編続きです。
若干オトナな表現がありますのでご注意を~。

*************************


その家は、大きさで言えばソンジュンの屋敷に遠く及ばないが、建物はまだ新しく、立派な設えの庭があった。
その庭を挟んで、家の主の居住域である舎廊棟〈サランチェ〉と、少し離れた奥に、女性の住まいである内棟〈アンチェ〉の縁側〈マル〉が見える。

「人の後をつけるなんて、あまりいい趣味とは言えませんね」

憮然とした表情で、ソンジュンがジェシンに言う。たちまちジェシンは眉を逆立ててソンジュンに食ってかかった。

「悪いのはお前だろうが!テムルがどんな気持ちで……」
「先輩、やめて」

ユニはいたたまれない気持ちで、俯いた。やはりこんな所に来るべきではなかった。いくら妻であったとしても、知らなくていい面というものが男にはあるのだ。

「ぼくが、コロ先輩に頼んだんだ。あなたがぼくに隠し事をしてるのが……不安で。でも、もういい。はっきり判ったらすっきりしたから」
「何がはっきり判ったっていうんだ?」

口にできる強さまでは持ち合わせていなくて、ユニは黙り込んだ。
すると、「何か、大きな誤解をされているようですけれど」と女が進み出てきて、朗らかな笑みをソンジュンに向けた。

「内棟と庭の手直しは大体終わりました。もうお荷物を運び入れて結構ですよ」
「ありがとう。随分と手間を掛けてしまって」
「いいえ。今時、こんなに奥方様のことを細やかに考えてくださる旦那様がいらっしゃるなんて、私も嬉しかったですよ。本当に幸せな奥様だこと」

では、と女は膝を折って、たった今入ってきたばかりの門を出て行った。
ぽかんとしているユニとジェシンに、ソンジュンが さて、と向き直る。

「中を見てみる?これからきみが住む家だ。どこに何を置くか、決めておかないと」

ユニは、黒い瞳をこぼれ落ちそうなほどに見開いた。

「私が住むの?ここに?」

もちろん、とソンジュンはユニの肩に手を置き、微笑んだ。

「東斎を出て、二人で暮らそう。筆洞にも、成均館に通うのにも都合がいいし、いつか正式に婚礼を挙げたら、ここにはきみのお母上とユンシク君を呼び寄せて住んでもらえばいい。それに……」

ソンジュンはちょっと眉を上げると、ユニの耳元に唇を寄せ、ジェシンに聞こえないように囁いた。

「ここなら、聖賢の目も気にせずに済む」

さっ、と、ユニの頬が朱を刷いたように赤くなった。
そんなユニを見ないようにそっぽを向いて、ジェシンが殊更つっけんどんに言った。

「ったく、バカバカしい。俺は謝らねぇぞ!お前のやり方がテムルを不安にさせたのは事実だからな」

ソンジュンは口元の傷に手をやり、微かに笑った。

「確かに。手荒い餞別だと思って、頂いておきます」

ぐい、とソンジュンの喉元を羽交い絞めにしたジェシンは、そのままユニに背中を向けると、ソンジュンの耳元でぼそりと呟いた。

「……俺があいつを諦めたこと、二度と後悔させるな」

肝に命じます、と微笑んだソンジュンの腹を、ジェシンは軽く一発、小突いた。


*   *   *


家財道具など何もないがらんとした部屋で、ソンジュンは小さく溜息をつき、言った。

「そろそろ、機嫌を直してくれないか」

ジェシンが帰り、やっと二人だけになれたと思ったのに、いつまでも膨れっ面でむっつりと黙り込んでいるユニに、ソンジュンはついに痺れを切らしたようだった。


「きみに黙ってたのは悪かった。だけど、家がいつ見つかるかも判らなかったし、きみが嫌がるかもと思ったら、言えなかった」
「嫌がる?どうして私が?」
「きみと正式な婚礼も挙げてない僕が、きみのために少しでも出費しようとすると、きみは決まっていい顔をしないだろう?自立心や自尊心は大いに結構だが、夫としてきみに頼って貰えない僕の気持ちを考えたことはあるか?」

視線を落としたユニは、「それは……」と口ごもった。

「言っておくが、これはきみのためじゃない。僕の我侭なんだ。だから、僕をきみの夫と思ってくれるなら、今回だけは譲歩して欲しい。でないと、あのまま男だらけの成均館にきみを置いておいたら、卒業まで僕の身がもたない」

ユニはそのとき、ヨンハが自分たちに『緊張感を持て』と言っていたのを思い出した。
明倫堂でのドヒョンの乱心事件や酔っぱらい三人組の来襲が、(ユニにはたいしたことではなかったにしても)ソンジュンにとってどれだけ耐え難いことであったのか、彼女はようやく理解したのだった。
そうなるとむしろ、彼に酷く申し訳ない気持ちになってくる。

「でも……居館修学〈コガンスハク〉は王命でしょう?泮村以外、儒生の下宿も認められてないのに、陛下がお許しになる?」
「物事には例外はつきものだ。きみがいい例だろう」

さらりと言ったソンジュンに、ユニはあんぐりと口を開けた。原則の鬼と呼ばれたイ・ソンジュンの科白とはとても思えない。

「陛下には、“試験勉強のしすぎで精神に変調をきたした儒生たちにキム・ユンシクが襲われそうになった”と報告しておいた。成均館で無用の問題を起こさぬためには、キム・ユンシクの退寮が最善の策だとね。陛下も納得してくださるはずだ」
「イ・ソンジュン……貴方って」

呆れてそれ以上ものも言えないユニをちらと横目で見て、ソンジュンはいけしゃあしゃあと言った。

「嘘は言ってない。ほんの少し、誇張しただけだ」

ユニは思わず、ソンジュンの頬を摘まんで軽く引っ張った。

「貴方は誰?もしかしてイ・ソンジュンの皮を被ったヨリム先輩じゃないでしょうね?」
「……多少、影響を受けてることは僕も認める」

頬を摘ままれた間抜けな顔で、真面目にそんなことを言うので、ユニは可笑しくてつい吹き出してしまった。
その笑顔を待っていたかのように、ソンジュンの腕が、ふわりと彼女を包んだ。

「仕方ないだろう?日々美しく花開く女人を留め置くことは、たとえ天帝といえど無理な話だ。ドヒョン兄たちを牽制するより、こうした方が安全だし、てっとり早い」
「その女人って、私のこと?」
「きみ以外に誰がいる?」

顔を寄せてきたソンジュンの微かな香りが、条件反射のようにユニを甘い気分にさせた。
触れ合う寸前、ふと目を上げた彼はユニをじっと見つめ、囁いた。

「そんな顔されたら……抱きたくてたまらなくなる」

唇を軽く噛むようなくちづけが、ユニの身体の芯を溶かしてゆく。ソンジュンはユニの道袍の裾から手を忍ばせると、下衣の腰紐をするりと解いた。中に滑り込んできた指先が、下穿きの更に下、彼女の花弁の間の最も敏感な部分を愛おしむようにそっと撫でる。
ソンジュンの背中を抱くユニの腕に、力が込もった。震える唇から甘い息を漏らした彼女はそのまま、ぎゅっと目をつぶり、押し寄せる快感をどうにかして逃そうとした。
だが身体の方は、あっけないほど素直にソンジュンの愛撫に屈していた。脈打つように熱く濡れそぼったそこが彼の指の動きにあわせて微かな水音をたて始める。

「や……あっ……!」

そんな音を彼に聞かれるのが恥ずかしくてたまらず、ユニはソンジュンの首筋に顔を埋め、小さく声をあげた。
だが彼の指先は、更に熱を帯びて彼女を優しく責め立てた。

「……我慢、しなくていい」

花弁を押し広げ、ユニの奥深くまで指を差し入れる。それはこの後の行為を想起させ、混じり合う互いの呼吸を荒くした。波のように繰り返される指の動きが、次第に彼女を追い詰めていく。
頑なに唇を噛みしめて堪え続けるユニの耳元に、彼の吐息がかかった。

「きみの声……もっと聞きたい」

その言葉が、必死に保っていたユニの理性という軛〈くびき〉を外した。
ここは、成均館ではない。壁の向こうには誰もいないし、聖賢の目も届かない。
いるのはユニとソンジュン、ただ二人だけだ。
誰にも邪魔されることのない二人きりの苑で、いったい何を気にする必要があるだろう。

ユニが、彼の起こす波に自ら呑まれようと、その身を委ねたとき。


「おおい、カラン、テムル!引越し祝いを持ってきてやったぞー!いるんだろ?門を開けろー!」

ドンドンと表の門を叩く音と共に、そんな大声が聞こえてきて、二人は瞬時に石のように固まった。

「今の……ヨリム先輩?」
「そんなまさか。きっと空耳だ」

ソンジュンは構わずユニの上衣の結び紐〈オッコルム〉を解き、サラシに手を掛けた。彼が必死に現実から目を逸らそうとしているのは、その性急な動作を見ても明らかだった。

「こらー!さっさと出て来い!5つ数えるうちにここを開けないと、荷車で突き破るぞー!いーち、にーい」

二人は弾かれたように身体を起こすと、大慌てで乱れた服と髪を整え、部屋を飛び出したのだった。






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2013/06/29 Sat. 07:20 [edit]

category: 蜜月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: ひろこさま

コメント欄でははじめまして(^^)
こちらこそありがとうございました~。
表も裏も程よく腐れておりますが(^^ゞ楽しんでいただければ幸いにございまス。

>ソンジュンさまの習得能力はおそるべし・・・ですね♪

ソンジュンは向学心に溢れてますから~。
あっち方面もとことん追求するに違いありません。ブシュッ(←鼻血)
頑張れソンジュン(ワタシの妄想のために!)君はできる子だ!(爆)

あまる #- | URL
2013/07/01 06:37 | edit

Re: あらちゃんさま

お忙しそうですね~(´・ω・`)
でもお越しいただけて嬉しいですワ。
お預けソンジュンのせいで余計ストレスたまんないといいのですけど(笑)

あまる #- | URL
2013/07/01 06:28 | edit

Re: ちびけんさま

> そ・・それはソンジュンのことです・・ははっ(^_^;)

まっ、確かに一番大変な状況なのはソンジュンでしょうから~(笑)
ごめんよソンジュン……これも愛(爆)

> きっとヨリムはソンジュンとユニと読者から
> ものすごい殺気を感じていることでしょう(爆)

わはは。そう考えるとヨリムには気の毒なことをしてる気が。
でもお約束ということでどーかお許しください(^^ゞ

あまる #- | URL
2013/07/01 06:25 | edit

Re: じ***よんさま

コメありがとうございます~。
ヨンハなら気付くでしょうね~(笑)というか、
おそらく二人が何やってるかわかってる上での行動なので、
始末に負えません(^^ゞ
でも多少ああいう障害があった方が、らぶらぶは盛り上がるのですヨ!たぶん……(笑)

あまる #- | URL
2013/07/01 06:18 | edit

新居でお幸せに~♪

(初めてコメントさせてくださいませ。先日はありがとうございました。)

ソンジュンさまの習得能力はおそるべし・・・ですね♪
これからも素敵なオチを楽しみにしています!


ひろこ #- | URL
2013/06/30 10:37 | edit

Good job!

あまる様、ありがとうございます。(*´▽`*)
忙しいけどてんちか堂に寄ってよかった。後で再読します!(何回も)(爆)

あらちゃん #- | URL
2013/06/30 00:54 | edit

こっちの方が…

あまるさま あんにょん!

ぶははっv-8
こっちの方が蛇の生殺しです。
え?こっち?
そ・・それはソンジュンのことです・・ははっ(^_^;)

きっとヨリムはソンジュンとユニと読者から
ものすごい殺気を感じていることでしょう(爆)

ちびけん #- | URL
2013/06/29 21:07 | edit

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# | 
2013/06/29 14:18 | edit

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