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第十四話 9 沈黙 

bandicam 2013-06-04 22-42-08-211
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「イ・ソンジュンを斎会の証人に?そりゃカンペキだね」

ほとほと感心したように、ヨンハは手を叩いた。その乾いた音は、インスの二間続きの部屋に虚しく響いた。

「礼と法を遵守するイ・ソンジュンを証人に立てれば、今回の斎会は公正で原則に従ったものだと評価される。それが狙いか?」

口角を僅かに上げて、インスはヨンハを見返した。

「やはりお前は敵に回すには惜しいな、ク・ヨンハ。我々は通じ合える───言わば同種の人間だ」

冗談、ヨンハは内心反吐が出そうな思いで否定した。
自分がこの男と同類であることは確かに認めるが、通じ合ったりなど誰がするものか。いくらなんでもそこまで堕ちちゃいない。

「お前、まさか本当にあの二人が噂どおりの関係だと思ってるのか?」

尋ねるヨンハに、インスは一口、茶を含むと、言った。

「あの晩、享官庁で二人は抱き合っていた。理由は二つにひとつだ。一人が、傷を負った紅壁書だったか、あるいは、二人が男色か。私はどちらでも構わない。紅壁書にしろ男色にしろ、ムン・ジェシンとキム・ユンシクは成均館を追われる。そしてイ・ソンジュンは同室生に背を向けることになるのだ」
「何故そう言い切れる?」
「左議政の息子で、潔癖とも言えるほど生真面目な模範生が、男色の噂で自分ばかりか一族にも害が及ぶのを黙って見過ごすと思うか?」

たいした悪知恵だ、とヨンハは呆れ混じりに息を吐いた。

「素晴らしいね。この一件で、コロとテムル、そしてカランまで抑える気か」

「いや、もう一人だ」と、インスは底光りのする眼でヨンハを見た。

「結果、お前の周りには誰もいなくなる」

すっと、背筋の寒くなる思いがした。
それが、ハ・インスという男に対してのものなのか、それともインスの企み通り、自分が一人になった時を思っての事なのか、ヨンハにはわからなかった。


*   *   *


ジェシンは、壁一面に隙間もないほど並んだ貼り紙を見渡し、舌打ちした。
わかってはいたことだが、仮にも国政の中枢となる人材を育成する成均館が、こうもクソみたいな連中の集まりだとは。

奴らはいつだってそうだ。本当に大事なことにはてんで無関心なくせに、こういうくだらないことには眼の色を変える。嘴を一斉に揃えて、標的をつつき出そうとする。

結局のところ、将来自分の出世の妨げとなる競争相手は一人でも少ない方がいいというのが彼等の本音なのだ。
ジェシンは腹立たしさをぶつけるように次々と貼り紙を引き剥がし、破り捨てた。

───あいつは、どう思っただろう。
紅壁書の秘密を守るため、男色なんて冗談にしても笑えない汚名を着せられたテムルは。
あの性格だ。放っといたら、紅壁書の正体を隠すために、バカなことを考えかねない。
ヨリムの奴が、余計なことを言いやがったせいで。

ふと顔を上げたジェシンはそこに、たまたま通りかかったらしいソンジュンの姿を見つけ、声を掛けた。

「おい老論、テムルを見てないか?ユ博士の講義で一緒だったろ」

立ち止まったソンジュンは、ジェシンの方を見ようともせず、黙りこくっている。それを返事と受け取って、ジェシンは苛々と頭を掻き毟った。

「ったく、どこ行ったんだ。心配させやがって」

「心配……?」と、そこで初めてソンジュンはジェシンの顔をまともに見た。

「それで、心配してるつもりですか」
「……何?」

見返したソンジュンの表情には、ジェシンに対する露わな怒りがあった。それは彼に、少し前の杖打大会の日を思い起こさせた。

「大事な人間を苦境に立たせ、非難の的にする───先輩の言う心配とは、そういうことですか。キム・ユンシクが本当に大切なら、もっと気をつけるべきだったのでは?」

痛いところを突かれ、ジェシンはソンジュンから目を逸らした。
今更言われるまでもなかった。ジェシンにとって、一番腹立たしいのは自分自身だったからだ。

死ぬかもしれないと思ったことはそれまで何度もあったが、死ぬことに怯えたのは昨夜が初めてだった。
彼女にもう一度会いたい一心で戻ってきた。
もしまた会えたら、そのまま死んでもいいとさえ思っていた。
酷い出血のせいで意識が朦朧としていたとはいえ、ユンシクの前で正体を明かしてしまったのは、その弱気が原因だ。

結果的に自分は命拾いしたが、代わりにユンシクを巻き込むことになってしまった。
後悔してもしきれるものではなかった。

ジェシンは苦々しい思いで口を開いた。

「もういい。俺たちのことはお前には……」
「もっとしっかり守れ!」

いきなり、ソンジュンが語気を荒げた。ジェシンは一瞬怯んで、言いかけた言葉を飲み込んだ。

「これ以上、僕も気にしたくない」

吐き捨てるようにそう言い、そのまま足早に去っていく。

「……何だ、あいつ」

はっと息を吐き出したジェシンは、半ば呆気に取られて、その後ろ姿を見送ったのだった。


*   *   *


講義の後、ユニは薬房にいた。チョン博士に呼び出されたのである。

「あの晩、享官庁で何があったのだ」

博士は、彼にしては珍しく焦りの色を浮かべてユニに尋ねた。

「もし斎会で処分が下されたら、たとえ王でも覆すことはできない。話しなさい。事実を聞けば、お前を救えるかもしれん」

ユニは黙っていた。博士は更に真剣な顔つきで、ユニへの説得を試みる。

「男色は、儒学を学ぶ者には決して許されぬことだ。青襟録からその名を削除されては、今後キム・ユンシクの名で科挙を受けることも、出仕することも不可能になる。それでもいいのか?」

青襟録永削〈チョングムノクヨンサク〉を持ち出されるのは、辛かった。何の罪もない弟の名が、男色という烙印を押され、汚されることは、ユニにとって耐え難いことだった。
だが本当のことを言えば、ジェシンは大罪人として処刑されてしまう。
人の命とキム・ユンシクの名誉を、秤にかけることなどできなかった。

ユニは俯き、長いあいだ沈黙していた。やがて言った。

「私たちは、何の過ちも犯していません。それが、今私がお話できるすべてです」

チョン博士はそれ以上何も言わなかった。ただユニを見つめたまま、やりきれないような深い溜め息を漏らしただけだった。






************************

特別何もしちゃおりませんがとりあえず叫んどこ。

ゆちょなー!誕生日おめでとう~!!!

そしてゆちょんのご両親にありがとう。
あなた方がゆちょんをこの世に送り出してくださらなければ、ワタクシの今のこのトキメキとシアワセはありませんでした。
心から感謝ですー(;_;)




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2013/06/04 Tue. 22:51 [edit]

category: 第十四話

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