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僕は君に愛を囁く 

突然ですが、こそっと屋根プリ(って今は言うらしい(^^ゞ)創作です。
すんません……オクセジャってあまるの中ではなーんかラブコメにできないとこがあって(笑)
こんなんなっちゃいました。
カタカナ禁止の呪縛から久々に開放されてちょっとスッキリ。
現代モノってやっぱり楽だわー。




**********************


コーヒーに、たっぷりのホイップクリームと、ヘーゼルナッツのフレーバーシロップ。
仕上げに、チョコレートパウダーを振り掛けて。

最近の僕のお気に入りのオーダーだ。
周りの友人たちは、そんな僕を見て うえ、と顔を顰める。
お前いつからそんな甘党になったんだ、とも。

確かに、自分でも変だなとは思う。
前は、コーヒーはブラック専門だったし。

医者の話では、大病をした後に味の好みが変わるっていうのはよくあることらしい。
僕の場合はまぁ、病気じゃなくて事故だったわけだけど。
二年以上も半植物状態で寝たきりだったことを考えると、それくらいの変化はあって当然かもしれない。

だけど、僕がこんな激甘なコーヒー(と呼べる代物なのかどうか最早わからないが)を飲む理由は、他にもある。

パッカだ。

クリームが鼻の頭にくっつかないように、おっかなびっくりカップに口をつける僕を、彼女はいつも切なげに見つめる。
優しくて、でもどこか悲しげな瞳。
その眼差しの奥には、言葉に言い表せないくらいの愛しさが溢れていて───

胸が、締め付けられる。

彼女が見つめているのは僕のはずなのに、そんなとき僕はなぜかモヤモヤしてしまう。
敢えて言うなら、彼女の瞳に映る自分自身に嫉妬してるような。

パッカ、きみが見ているのは、本当に僕なの───?

南山タワーの見える広場で彼女と再会したとき、胸が震えた。
彼女の手に触れた瞬間、自分の身体中の細胞が一斉に目覚めて喜んでるような感覚に襲われて、理由〈わけ〉もなく涙が流れた。
彼女も泣いていた。
どうしてそんな風になったのかよくわからなかったけど、魂が呼び合うって、きっとああいうことなんだろう。
きみに逢うために生まれてきた、なんて、一昔前の陳腐なラブソングみたいなことを本気で思ってる自分がいて、正直後でうそ寒くもなったのだけど、少なくともあの瞬間、僕らの間で何か特別なことが起こった。それだけは確かだった。

なのにどうして、僕らはいつも切ないんだろう。

「好きだよ、パッカ」

彼女への想いが胸に溢れるたび、躊躇わず言葉にする僕を、彼女は戸惑い気味に、けれど幸せそうに笑う。
どうしてそう唐突なの、と。

仕方ないじゃないか。
カフェの片隅で、こうやって向かい合って座っているだけで。
頬杖をつくきみが、ガラス窓の向こうの街並みにふっと視線を投げるだけで。
きみの指先が、リズムを刻むようにテーブルをとんとん、と叩くだけで。

僕の中の何かが焦って、口に出さずにはいられなくなるんだ。
なのに、典型的右脳人間な僕には、それを表せるボキャブラリーは極めて限られていて。

「すごく、好きだ」
「うん」
「たまんなく好きで、その……」
「うん」
「……ほんとに、わかってる?」
「うん……」

自分でもバカみたいだと思う。何度だって言いたいのに、そうやって口にすればするほど、言葉はふわふわと宙に舞って、消えていくような気がする。
胸の中にあったときには、確かに質量を持っていたものが、舌の上に乗せた途端、一瞬で蒸発するみたいに。

パッカが笑わずに聞いてくれるのだけが、せめてもの救いだ。

エスプレッソマシンの音が、カウンターから景気良く聞こえてきた。
彼女は僕の手をきゅっと握って、微笑んだ。

「たくさん、言って。一言も漏らさずに聞いてるから」
「……また、泣いてる」
「泣いてないよ」
「違うね。涙を流してないだけだ。僕にはわかる」

そう言うと、嬉しいからだよ、と彼女はまた微笑った。

いつか、彼女の奥深くに沈む悲しみの理由を、僕は知ることができるのだろうか。
そんなことを思いながら、僕は彼女に愛を囁く。
街角で、丘の上のベンチで、屋根部屋の、ベッドの中で。
コーヒーのほろ苦さを、山盛りのホイップクリームとシロップでかき消すように。

何がきみの胸をそんなに痛くさせてるのか、僕にはわからない。
でも、誰もが呆れるくらいたくさんのトッピングで、思いきり甘くしてしまえば、それは最早悲しみとは呼べなくなるはずだと信じて、僕は彼女の耳元に唇を寄せる。
繰り返し、想いを言葉にする。

「出逢う前から───ずっと愛してた」

我ながらクサい科白だ。
いくらなんでもこれは笑われるだろうと、言ってしまったことを少し後悔する。

だが思いがけないことに、彼女はふと真顔になった。そして何度も頷いて。



ぽとりと一粒、涙をこぼした。





FIN





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2013/05/26 Sun. 04:41 [edit]

category: 僕は君に愛を囁く

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

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# | 
2015/05/21 23:09 | edit

Re: に*の*さま

はじめまして。コメントありがとうございます!
パクハは悲しい別れを経験したけど、テヨンと一緒にいる時間が
彼女を癒してくれるんではと。
二人にはこれからがまだたくさんありますから~(^^)

あまる #- | URL
2013/07/06 01:26 | edit

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# | 
2013/07/04 18:50 | edit

Re: 阿波の局さま

お久しぶりですー(^^)
またお越しいただけて嬉しいデス。

いやいや、ワタクシの方こそブログ村でお名前をお見かけしていたものの、
もし違ってたら恥ずー(>_<)だしなーとか思ってました(笑)

ウチのオクセジャはまだまだ極小スペースですので(^^ゞブログの告知文にも載せられない状態ではありますが、こっちもボチボチ増やしていけたらいいな~と思ってます。
阿波の局さんのサイトにもゼヒゼヒ遊びに行かせていただきますので、その節はよろしく相手してやってください~

あまる #- | URL
2013/06/12 00:20 | edit

ぶらぼー

あまるさん、おはようございます。
お久しぶりです。
覚えていらっしゃるでしょうか?阿波の局です。

大統領就任式あたりからの怒涛の情報の嵐に翻弄されて、こちらは足が遠のいておりました。
どうも、私のハードウエアは(脳みそです。)処理速度が遅くて、しかも複数同時処理ができない仕様になっているようで・・・汗

少し前からランキングサイトで「てんちか堂」の名前を拝見するたびに心が疼いておりました。
読みに行きたい・・・でも・・・

今日、クリックしてみたら・・・あるじゃありませんか。オクセジャサイドストーリー。瞬時に目がハート。

さっそく読ませていただきました。
あまるさん、ぶらぼー!!!

>胸の中にあったときには、確かに質量を持っていたものが、舌の上に乗せた途端、一瞬で蒸発するみたいに。

こういうのが読みたかったのよ~心の中で叫びました。
実は、恥ずかしながら私もブログにてオクセジャのサイドストーリー書いております。
もう~穴があったら入りたいというか、なぜあまるさんのように美しく書けないのかしらん。(←文才がないから。分かってる。でも止めないという・・・爆)

ともあれ、久しぶりにあまる節を堪能させていただきました。
ぜひぜひ、愛しのイ・ガク様を登場させてくださいませ。
首を長~くしてお待ちしております。

阿波の局 #3FtyQ0do | URL
2013/06/11 04:39 | edit

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