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水月 8 

あまるですどうもこんにちわ。
もう3月かー。早いなあ。

早いといえば今月からもぉDATVにてユチョンのドラマ「会いたい」が放送されるとな。すご。
というわけで早速スカパーのチャンネル契約変更しました(爆)
オクセジャ終了後、パック契約に戻してたのをまたしても単契約に(^^ゞ
あーでもイ・サンはもう暫く続くからLaLaTVだけは残しとかないと。
かわいーゆちょに会えるのが今から楽しみです(^^)



*****************************************


───女が出仕した前例、か。

ユニを探して回廊を歩きながら、ソンジュンは複雑な思いでヨンハの言葉を胸の内に繰り返した。
正直、ユニの出仕など考えたこともなかった。

これはユニも知らないことだが、ソンジュンは以前、心配性の姉を気遣うユンシクから、こっそり相談を受けたことがあった。
実は、自分で大科を受験するつもりでいるのだが、果たしてそんなことが可能なものだろうか、と。
それを聞いたソンジュンは当然、喜んだ。今の彼の体調と学識なら、さほど難しいことではないだろうし、何より姉に頼らず自分の力で科挙に挑戦したいという彼の気持ちが嬉しく、誇らしかった。
それに、キム・ユンシク本人がちゃんと大科を受験して合格したとなれば、姉弟が入れ替わる際にも、王に対して申し開きができる。
そんなわけで、ソンジュンの将来の義弟は大科受験に向け、現在猛勉強中だ。

ユンシクとソンジュンが晴れて大科に合格したあとは、兄弟互いに助け合いつつ王に仕える。そしてキム・ユンシクの名を弟に返したユニは、ソンジュンの妻として彼を支え、二人で愛情に満ちた幸福な家庭を築く。そんな未来予想図が、彼の中ですっかり出来上がっていたのである。

『だってさぁ』

先刻のヨンハの、真面目なのかふざけているのかよくわからない声がまた、ソンジュンの脳裏をよぎった。

『テムルがいないと、出仕なんかしたってつまんないだろ?』

ヨンハの判断基準は常に一貫している。正しいか正しくないかではなく、面白いか、それともつまらないか。
その是非はともかく、ヨンハの価値観に考えさせられることがあるのも事実だった。
この成均館で過ごしてきた日々に、もしユニの存在がなかったとしたら。
想像することすら難しかったが、少なくとも、ヨンハの言う“つまらない”毎日になっていたことだけは確かだ。
ヨンハやジェシンとだって、今のような関係を築けていたかどうか───いや、恐らく絶対に無理だっただろう。

ユニは、結婚を承諾してくれた。二人で東斎を出ることも。だが、寝る間も惜しんで仕事をし、やっと終わったと思ったらまたどっさり依頼を持ち帰ってくる彼女を見ていると、時々思うのだ。
彼女はもしかしたら本心では、家庭に収まるより、仕事をしたいと思っているのではないかと。

腐敗した老論の政(まつりごと)に、共に憤り、共に泣いた。国家のあり方を、四人で明け方まで論じ合った。
儒生たちの誰よりも民の苦境を知る彼女が、全てを人任せにして、誰かの妻や母であることだけに、果たして満足できるのか?自分との結婚は、そんな彼女を家庭に縛ることになりはしないか───。

そんなことを考えながら、中庭を臨む回廊に差し掛かったときだった。
ふと視界の端に人影を捉えたソンジュンは、足を止め、庭先の方に目を遣った。

はじめは、どこぞの両班が妓生といちゃついているのだと思った。だがその両班が誰か判った瞬間、ソンジュンの全身が凍りついた。
何かの見間違いかと思い、彼は暗がりにもう一度目を凝らした。だがその先にある忌まわしい光景は変わることはなかった。

スウォル、いや、シン・ユンボクか。どちらでもいいがとにかくその女が、ユニに寄り添い、頬に口吻ている───!

「キム・ユンシク!」

気付いたときには、彼は回廊の高欄を掴み、中庭に飛び降りていた。敷き詰められた玉砂利が、足元で大きく鳴り響く。
瞳に驚きを浮かべて、ユニがこちらを見ている。つかつかと歩み寄りながら、ソンジュンは怒りのあまり吐き気すら覚えた。
自分以外の人間が彼女に触れるなど、絶対に許せることではなかった。

「イ・ソンジュン……?」

ユニの、か細い声が彼の名を呼んだ。だがそれは、夜気を震わせただけで、彼の耳に届くことはなかった。
ソンジュンはユニの手首を掴んで引き離すと、自分の背後に隠すようにして、目の前のスウォルを睨み据えた。
相手が女じゃなかったら、生まれてきたことを後悔するまで殴りつけてやれるのに、それができないことが、ますます彼の怒りを増幅させた。

「何の真似だ」

ソンジュンが問うと、スウォルは飾り髪〈カチェ〉にちょっと手をやり、落ち着き払って答えた。

「随分と野暮なご友人ですこと。ご覧になっていたのなら、おわかりでしょうに」
「あんな絵を見せられた後で、わかるものか」
「生憎と、わたくしは貴方様のように道理に縛られる人間ではありませんの」

なるほどそういうことか。
妓房という女の園では、妓生同士が互いに情を交わすことも珍しくないと聞く。
初めからユニをそういう目で見ていたのなら、先刻からのスウォルの、ソンジュンに対する挑発的ともとれる態度も合点がいく。

掴まれた手首が痛むのか、背後のユニが、小さく身じろぎした。

「イ・ソンジュン、やめて。なんでもないんだ。さっきのはそんな、大したことじゃ……」
「きみには大したことじゃなくても、僕は我慢できない」
「ちょっ……なに、何言って……」

ユニが慌てたのは、自分たちが男色だと誤解されることを恐れてのことだろう。だがそんな心配は無用だった。
この妓生は知っているのだ。キム・ユンシクが実は女性であり、ソンジュンと恋仲であることを。
とはいえ秘密を抱えているのはお互い様だ。事情は知らないが、シン・ユンボクが図画署を追われたことと、その秘密が無関係だとは思えなかった。

「水月〈スウォル〉と言ったか。美しい名だが、言い得て妙だ。水面に映るのはただの影。かりそめの姿に過ぎず、そこに実体はない」

スウォルは目を伏せ、呟くように言った。

「仰るとおりです。影はただの虚像。なれど実体が無ければ影は無く……。影の中にこそ真実があると、わたくしの師匠は申しておりました」

蕙園の師匠。であれば、檀園〈タンウォン〉、キム・ホンドか。
当代一の絵師には悪いが、賛同する気にはとてもなれなかった。

「では訊く。君の言う真実とは何だ?ここで、心眼とやらで客の姿絵を描き、その全てを暴くことか」

射るような眼差しでソンジュンを見返していたスウォルの瞳が、そのとき微かに、揺らいだように見えた。
ソンジュンはユニの手を引き、踵を返した。その背に、スウォルが礫を投げるように、言った。

「真実をお望みなら……それはわたくしではなく、貴方様の婚約者にお訊きになっては?」
「何?」

振り返ったソンジュンの目に、一人佇むスウォルの姿が映る。
菜の花色のチマチョゴリは、ちょうど彼女の頭上に掛かる月と同じく、暗がりの中で淡い光を放ち、ぼうっと浮かび上がって見えた。

「過ぎた執着は、毒にしかならぬもの。そうなってしまっては、最早愛とは呼べません」

スウォルの言葉が、鋭い錐となってソンジュンの胸に刺さる。
ソンジュンは目を瞑って息を吸い、猛り立つ感情を抑えた。動揺などしていない。決して。

「ならこれは知っているか」と、低く彼は言った。

「倭国では、水月は くらげを意味するそうだ。毒を持つのはどちらか、君も考えてみるといい」

いったい何のことだと問いたげに、ユニがソンジュンを見上げた。

「帰るぞ、キム・ユンシク」

ユニの手を強く握り締め、ソンジュンは再びスウォルに背を向けた。
彼女そのものが影であればこそ、他人の影も見えるというのか。そしてそこに、真実があると。
ソンジュンは足早に回廊へと向かった。
水に映る月が、自分たちを見ている。その視線から、一刻も早く逃れたかった。



to be continued


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2013/03/02 Sat. 03:01 [edit]

category: 水月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: ちびたさま

> レポートと試験は・・・・・ははは(汗)
> あの論語やら儒教をああもこなしていくソンジュンやユニっこ その他の儒生は偉いのぅ。

いやいや、それにチャレンジしてるちびたさんも偉いわ~。
ワタシなんて韓国語の勉強すら三日坊主……。あう。

ようやく本編再開しました。辛いとこだけど、ここを乗り越えさえすればっ!
お言葉に甘えて、番外編でちょこちょこ息抜きしつつ頑張ります(^^)

あまる #- | URL
2013/03/07 00:24 | edit

おほほ、沢山のお仲間の皆様にこの場でお会いできてほんとーに楽しいっす。

皆様、それぞれの思い入れを読ませてもらうのが楽しくて楽しくて

レポートと試験は・・・・・ははは(汗)
あの論語やら儒教をああもこなしていくソンジュンやユニっこ その他の儒生は偉いのぅ。

本編は私も結構つらい場面に差し掛かっているので、ここでゆっくり息抜きして下さいませ。
ゆっくり、のんびり楽しみにしてますねー

ちびた #- | URL
2013/03/05 22:29 | edit

Re: あらちゃんさま

正直なトコロ、ドラマのラストはあまる的にちょっと「?」なカンジではあったんですよね~。
ユンシクはユンシクのままで博士になってたし、じゃあ弟はどーなったんだ、とか。

>あくまでソンスは閉じてしまった世界でしたから、亡くなったひとを忘れないために書くようで・・・

なんだあ~やっぱり書いてたんじゃナイスカ!!閉じるも開くも、自分次第ですともさ。
妄想はどこまでも羽ばたくのですヨ!

あまる #- | URL
2013/03/04 01:40 | edit

Re: ともさま

ソンジュンは男女を問わず嫉妬しなきゃいけなくて、なんだかお気の毒……(^^ゞ
ユニめ、罪深い女やのう~(笑)

あまる #- | URL
2013/03/04 01:17 | edit

堪能させていただきました

水月の挑発にはソンジュンに対する怒りが含まれているような?単純な恋のライバルとしての態度じゃなさそうですね。水月事件がどう着地するのか今から楽しみです。フフフフフ・・

入れ替わるにしてもユンシク自身が大科を受けてなきゃ世間的にずるい気がしていたので、ユンシクが大科に向けて勉強するという設定に大賛成!!!こうでなきゃ、ですよね。

>『テムルがいないと、出仕なんかしたってつまんないだろ?』
ヨンハってほんとうにこういう核心ついた発言してくれるいいキャラですね。大好きです。ソンスには絶対なくてはならないキャラです!

>彼女はもしかしたら~
原作の、「君は幸せになれる?」と問う場面が大好きなのでソンジュンがこう思う場面が見られてすごくうれしいです。
・・・今まで、原作の好きなところをドラマの中に入れ込んだ話をつらつらと独り書いてきましたが、正直過去に向かって書いているようで、楽しい作業であってもある種むなしさも感じる作業でした。あくまでソンスは閉じてしまった世界でしたから、亡くなったひとを忘れないために書くようで・・・
それなのにここにこうして開かれた世界がある。彼らが生きている。
その上、同じ素材を使った全く違う料理に舌鼓を打てる幸せ♪
自分の中の狭い世界ではあり得なかったストーリーにホントに生きててよかった~と喜びを感じます(T_T)
あまる様に感謝!です。


あらちゃん #- | URL
2013/03/03 10:16 | edit

更新お疲れ様です♪

ドキドキの展開になってきましたね!
スリルとサスペンス。。。ではないのに似たようなハラハラ感を感じます(笑)

ソンジュン怒りと焦りが伝わって来るからかな

最近、毎日一日に数回もてんちか堂に足を運ぶのが日課になりました(๑´◡͐`๑)♡

とも #- | URL
2013/03/02 21:30 | edit

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