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水月 5 

そしてまだまだ続く番外編……(^^ゞ

告白しますと、番外編と同時進行で本編書くつもりだったのに、全然書けてません。
明らかに逃げを打ってるな自分(爆)
しかしここをなんとか乗り切らなきゃあぁ~ラブラブユニソンは幻にいぃ~(T_T)
ガンバレわたし。
**************************************


女は、かすかな衣擦れの音をさせて彼等の膳の前に膝をついた。花びらのような色鮮やかなチマが空気を含んで膨らみ、ふわりと彼女を包んだ。

「スウォルと申します。今宵は、ようこそお越しくださいました」
「この間は世話になったな。息災だったか?」

はい、と慎ましく答えて、スウォルは四人に視線を滑らせた。

「こちらの方々が、例のご学友の?」
「ああ。早速だが、頼めるか?」

ヨンハが言うと、スウォルは返事の代わりに にっこりと微笑んで、戸口に控えていた童女に目配せした。
童女は、四角い盆を抱えてそろそろと入ってくると、スウォルの横にそれを置いた。盆の中には、色とりどりの粉を盛った小皿がいくつも並んでいた。

「これは……顔料?」

ソンジュンが不思議なものを見るように小皿を覗き込んで、言った。
楽器や舞の小道具ではなく、顔料を座敷に持ち込む妓生なんて聞いたことがない。
スウォルは童女が持ってきた紙を床に広げると、盆に入っていた筆を取り、硯の墨を含ませた。

「まずは、どなたから?」

顔を上げたスウォルが尋ねる。逃げられることを想定してか、すかさずヨンハががっちりとジェシンの首を右腕で抱え込み「こいつを頼む」と言った。

「な、何を……!」

狼狽えるジェシンに構わず、承知しました、とスウォルが微笑む。
紙に向かい、筆を降ろしたその瞬間、まるでそれまで着けていた仮面をすっと外したかのように、彼女の表情が変わった。柔らかな微笑を湛えている妓生の顔では既にない。そこにはどうかすると冷たささえ感じるほど真摯な、凄みのようなものがあった。

筆の穂先が、さらさらと驚くべき速さで紙の上を滑っていく。顔料を水で溶き、用意するのは横に座る童女の役目らしい。手際よくいくつもの小皿をスウォルが使用する順番に並べていく様子は、童女がもう幾度もこの仕事をこなしていることを伺わせた。

そしてほんの数刻で、「できました」と彼女は筆を置いた。
差し出された紙を、四人が額を小突き合うようにして覗き込む。そこにあったのは、美しい彩色まで施され、完璧に写し取られたジェシンの姿絵だった。

「凄い……」
「気持ち悪いくらい似てるな」

そう言ったのはヨンハだが、もっともだとユニは思った。顔の造作はもちろんだが、そのちょっと不貞腐れたような表情や、胸の前で腕を組んだ姿勢まで、ユニの知る中で一番ジェシンらしいジェシンが、今にも動きださんばかりにして紙の上に描き出されていたのである。

「ここまで精密な肖像画を、あの短時間で描き上げるとは……。大したものだ」

ソンジュンもすっかり舌を巻いた様子で、そう言った。恐れ入ります、とスウォルが頭を垂れる。
当人であるジェシンはと言えば、魂を抜かれたように呆然として、紙に留められた自分を凝視していた。

「凄いだろ?私も前に来たとき描いてもらったんだが、見たときにはあんまりそっくりで寒気がしたね。その後は女どもが私の姿絵を奪い合ってえらい騒ぎになった」

奪い合いのくだりは余計だったが、ヨンハの言葉にソンジュンは何かしらを思ったようだった。彼は小さく咳払いすると、「キム・ユンシク」と言った。

「きみも、描いてもらったらどうだ?」

え、とユニが訊き返す。思わず、スウォルを見た。彼女は何も言わず、ただ微笑んでいる。

「そうだそうだ、描いてもらえ。王が緑髪紅顔と讃えた美貌だ。歴史に残るかもしれないぞ」

ヨンハがそんな大げさなことを言うのでユニは笑ったが、よく考えると王族でもないかぎり、自分の肖像画を、しかもこんな見事な手で描いてもらえる機会なんて、そうそうあるものではないだろう。

「じゃあ、お願いできるかな」
「はい。では、こちらへ」

スウォルに促され、彼女の正面に座る。
じっとこちらを見つめる目に変に緊張して、畏まっているユニに彼女はくすりと笑った。

「そう固くならずに。いつもどおりになさってくださいな」
「あ、はい……」

いつもどおりってどうだったっけと思いながらもぞもぞと座り直す。
スウォルの筆は少しの迷いもなく紙の上を滑り、瞬く間に一枚の肖像を描き上げた。

「終わりましたわ、若様〈トリョンニム〉」

ありがとう、とユニが絵を受け取るより先に、ソンジュンがすっと横からそれを掠め取った。しょうがないなと笑いながら、ユニはソンジュンに尋ねる。

「どう?似てる?」

返事はなかった。ふと見上げると、絵をじっと見つめるソンジュンの表情が酷く強張っていることにユニは気付いた。

「どうしたの?何か……」

手元を覗き込もうとすると、ソンジュンはいきなりぐしゃ、と手にした絵を握り潰してしまった。驚いたユニが思わず身を引くと、なんだなんだとヨンハは逆に身を乗り出してきた。

「どうしたカラン、真っ青な顔して。テムルじゃなくて幽霊でも描いてあったか?」

ソンジュンはくしゃくしゃになった絵を、誰にも見せまいとするかのように強く握り締めたまま、固い声で言った。

「これは……キム・ユンシクではありません」

いくらなんでも、描いた本人の前でその言い草は失礼だろうと、ユニは申し訳ない気持ちでスウォルを見た。
が、彼女は気を悪くした様子もなく、まるでソンジュンの言葉を予期していたかのように ふっと笑った。

「確かに……。貴方の仰ることは正しいわ、とても」

ソンジュンが、只ならぬ形相でスウォルを見据える。だが彼女は臆するどころか、その目を真っ直ぐに見返した。
ひりひりするような空気が、二人の間に漂う。
いったい何が起こっているのか問うこともできず、ユニはただ戸惑うしかなかった。




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2013/02/20 Wed. 19:16 [edit]

category: 水月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: なおすけさま

風の絵師はワタシも好きなドラマです(^^)
ご推察に対しては先程アップしたやつでお答えできるかと(笑)
でもなんとなく頭に描いてるスウォルのビジュアルは、ムン・グニョンよりどっちかというとムン・チェウォンに近いかもです。

あまる #- | URL
2013/02/23 02:09 | edit

Re: あらちゃんさま

そう、まさかのペースなのです(笑)
我ながらやればできるんじゃん、なんて。
しかしいかに本編が煮詰まってるかってことですわ~(^^ゞ
瘋癲老人日記、ですか。むしろワタクシは非常に気になるところですが(笑)

あまる #- | URL
2013/02/23 02:02 | edit

Re: ともさま

コロは番外編では初めて書くので、ワタシも書きながらにまにましてました。ブキミ……
魅力的、ですかぁ?ありがとうございます(^^)
オリキャラ出すのってなかなか勇気がいるので、そう言っていただけると嬉しいです~。

あまる #- | URL
2013/02/23 01:57 | edit

Re: ちゃむさま

ソンスもついにファンタジーかSFちっくになってきた感?(笑)
エールありがとうです(^^)
本編に関しては、あまるにとってはかつてない難所に差し掛かってるみたいです。
DVDを観るのも辛いし、書くのはもっと辛い。
でもラブラブ目指して頑張ります~。

あまる #- | URL
2013/02/23 01:54 | edit

スウォンは…

ちょうどこの前、「風の絵師」を見終わったところです!!
レンタルでしたが、今でも結構人気あるようですね。
なかなか1巻が借りれませんでした。
スウォンはユンボク?

なおすけ #- | URL
2013/02/21 18:46 | edit

すごい!更新!

すごいです!更新されている~~~まさかのペースでうれしい限りです。
私が毎日疲れたと言ってはぐだぐだ過ごしているうちに(>_<)自分が情けないです。瘋癲老人日記なんか気にしてる場合じゃない。

続きが気になって仕方ありません。スウォルには女人に見えたのかしら?
普通の感覚から言ったら男に見える方が不思議だし、と思ってるんですけど。

あらちゃん #- | URL
2013/02/21 18:32 | edit

更新ありがとうございます!

4.5一気に読みました!
コロちゃん登場でニヤニヤしながら読んでしまいました!

スウォン、気になりますね〜。ミステリアスな美人!魅力的です♪
続きを妄想しつつ楽しみに待ってます♡

とも #- | URL
2013/02/21 14:44 | edit

念なのか?

な~んて、今とりためたHANTER HANTERのアニメを家に帰ると見ているので、つい(>_<)なかなか興味深い人物ですね。果たしてどんな女性なのかしら。人の本質を写し取る能力者…あ~楽しみです。本編はね~この部分ホントいらいらMAXなとこだから、見返した時飛ばした私。でも、この展開があってのラブラブだからね~頑張れ~

ちゃむ #- | URL
2013/02/21 12:32 | edit

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