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水月 4 

職場のワタシのPCのログインパスワード、社内の殆どの人間にバレていることが判明。
ええ、アレですよアレ。トンペンですから、ワタクシ(爆)
社内のセキュリティはどうなっとるんだと憤慨していたら、そんなわかりやすいPWに設定する方が悪い、と逆に怒られました。ごもっとも。
いやでも、わざわざ吹聴するヤツがいないと、他部署の社員まで知らんだろ、フツー(^^ゞ
また変えなきゃなぁ……ああ面倒臭い(-_-;)

番外編、続きです。まだ終わりません。
こう長いと既にどこが気分転換だって話ですが(笑)よければもちょっとおつきあいください。
*******************************************


「だからってなんで俺まで行かなきゃならないんだ」

通りを歩きながら、ジェシンは渋い顔でまだぶつくさ言っていた。ヨンハはその肩に手を掛け、軽い調子で言った。

「お前がたまたまあんなとこにいるからだ。運が悪かったと思え」

確かにそうかも、とユニは彼等の後ろで小さく笑った。
ヨンハがユニとソンジュンを引き連れて成均館を出ようとしたまさにその時、丁度外から帰ってきたらしいジェシンと伝香門の手前でばったり出くわしたのである。
ヨンハが有無を言わさず彼を一行に引っ張り込んだのは言うまでもない。

「でも、コロ先輩がこの時間に帰って来るなんて最近じゃ珍しいから。一緒に行けて、嬉しいです」

にっこり笑ってユニがいうと、振り向いたジェシンは一瞬動きを止め、目をあらぬ方向に泳がせた。

「べ、べつに、早く帰る事くらい、あるさ。お前が知らないだけだ」
「えぇ?そうですか?」
「そうだ!」

ジェシンはそっぽを向いて怒ったようにそう言い、さっきまでより幾分速い歩調でさっさと歩いて行く。
そうなの?とユニはソンジュンを見上げた。するとこちらも憮然とした表情でふっと息を吐き出し、「きみは……」と言いかけたが、すぐに「いや、いい」と口をつぐんでしまった。
ヨンハはと言えば、やたら楽しそうににやにやと笑っている。
いったい何なんだろうとユニは思ったが、ただでさえ歩幅の違いすぎる彼らに遅れないよう懸命についていくうちに、すっかり忘れてしまった。

ヨンハが三人を連れて来たのは、雲従街の中心からは少し外れた、どちらかというと裏通りと呼んでもいいような寂れた路地だった。妓楼が軒を連ね、無数の提灯が赤々と灯る表通りの喧騒も、道を一本隔てただけで嘘のように遠い。
道端ではぼろをまとい、伸び放題の髭に覆われて顔も判然としない男が、うずくまって上体をひっきりなしに揺らしている。
何となく不穏なものを感じたユニは、ほとんど無意識にソンジュンの道袍の袂を指先で握りしめていた。
多少の人目はあったがこの暗さだ。ソンジュン本人も気づいていないだろうと思っていたのに、前を向いたままの彼の手が、さり気なくユニの手を取り、きゅっと握ってくれた。目を合わさずとも通じる気持ちが、ユニの胸を温めた。
先輩、とソンジュンがどこか咎めるような声音で、言った。

「本当にこんなところに店があるんですか」

前を歩くヨンハは彼等の気も知らず、口笛でも吹きそうな風情である。

「この街で育った私を信用しないのか?いいから黙ってついて来いって」

暫く歩くと、二つの長提灯が吊り下げられた、さほど大きくもない門が見えてきた。
香蘭閣〈ヒャンナンガク〉と板書されたその門をくぐった途端、彼等は嬌声と共に集まってきた数人の妓生達にあっと言う間に取り囲まれた。

「ヨンハ様!やっぱり来てくださったのね!」
「当たり前だろう。私は約束は破らない男だよ」
「お連れの方々はもしや噂の?」

そう、と言ってヨンハはユニとソンジュンの間にするりと割り込み、ジェシンとまとめて三人の肩を両の腕で抱え込んだ。

「花の四人衆だ」

女たちから一斉に、悲鳴にも似た声が上がる。ソンジュンは面食らったように瞬きを繰り返し、ジェシンは苦々しく頬を歪めた。ユニはただただ驚いていた。
牡丹閣の、節度を保った接客ぶりしか知らなかったせいもあるだろうが、彼女たちの騒々しくあけすけな様子には、同じ妓楼といえどこうも違うものかと戸惑いを覚えるばかりだった。


「どうしたんだ?ふたりとも妙な顔して」

先導する妓生について回廊を歩きながら、ヨンハが尋ねる。ソンジュンと顔を見合わせて、ユニが答えた。

「その、先輩がこういう雰囲気の店を行きつけにするとは思わなかったので、ちょっと意外というか……」

たまにすれ違う男たちを見ても、客層の違いは明らかだった。牡丹閣では両班しか見かけることはなかったが、こちらは殆どが庶民たちだ。
正直言って、彼等のような階層の者たちがこんな場所に出入りしているということも、ユニには意外だった。
ヨンハは口元を手で隠すようにして、低く言った。

「油断するなよ。ここは庶民からはほとんど金を取らないが、両班からはふんだくる」
「どうしてそんなところにわざわざ?」
「こいつは金を無駄にばら撒くのが趣味なんだよ」

どうでもいいような口調でジェシンが言うと、ヨンハは まぁそれも確かにあるけど、と笑った。

「牡丹閣ばかりが妓楼じゃあない。たまにはこういうところで腹の底から馬鹿になるのもいいもんだ」
「たまには?」

怪訝な顔で、ソンジュンが訊き返す。ユニも同じことを思った。いつもはそうじゃなかったのか。

「そういえば……最近の牡丹閣はかなり客足が減ってるとか。妓生が一人いなくなるだけで、そんなに影響があるものですか」
「そりゃそうさ。いいかカラン、普通の男には夢ってもんがあるんだ。テムル一筋の今のお前には理解し難いだろうが」

これから結婚しようというのに、そんなの理解してもらっては困る。
とはいえ、チョソンを失った牡丹閣が、かつての権勢までも失いつつあるというのはユニも人づてに聞いて知ってはいた。
口にこそ出さないが、ヨンハもチョソンがいなくなり、客足の遠のいた牡丹閣を見るのは寂しいのかもしれなかった。


通された部屋は、広くはなかったが清潔で、思っていたよりも居心地の良い空間だった。正面に立てられた屏風には、艶やかに咲き誇る蘭の花が描かれている。豪華な調度品などは一切見当たらなかったものの、逆にそれが、この見事な屏風絵を引き立てているようだった。
ヨンハは彼等を案内してきた妓生に何やらひそひそと耳打ちし、席に就いた。

「実は、ちょっと面白い女がいてね。お前らに会わせたかったんだ」
「面白い、とは?」

ユニの隣に腰を下ろしながら、ソンジュンが尋ねる。ユニも興味を惹かれ、訊いた。

「芸事が巧いとか?」
「いや、全然」
「じゃあ、美人なんだ」
「そんなの、別に面白くもないだろ」
「顔が、大司成様に似てる!」

ぷっ、とソンジュンが吹き出した。ジェシンも横を向いて肩を揺らしている。ヨンハは呆れ返って、扇子の先でユニの頭を小突いた。

「そんな妓生がいたら寄りつくか、阿呆。まぁ見てろって。すぐ来るから」

そうしているうちに、酒と軽い食事が運び込まれた。ひとしきり飲んで話していると、失礼致します、という声とともに、障子戸がすっと開いた。

菜の花色のチマに、透かし模様の入った、同じ色のチョゴリ。飾り髪に刺した蝶の簪を揺らして、一礼する。
顔を上げたその妓生が、ユニの方をちらりと見た。唇が、綺麗な弧を描く。

あっ、と思った。
それは筆洞の、蕙園の絵の前で出会ったあの微笑みだった。





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2013/02/19 Tue. 10:17 [edit]

category: 水月

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: 出てくると思ったぁ~

モチロン出しますとも~(笑)
オリキャラ出すのってドラマのファンの方からするとどーなんだろ、とちょっと躊躇わないでもなかったんですが、ご理解いただけると嬉しいデス(^^)

あまる #- | URL
2013/02/20 19:19 | edit

出てくると思ったぁ~

幽霊じゃないんだから…って言わないで(>_<)気になってたんだよね~えぇ~何つながり~ちょー気になる。続きめっちゃ楽しみにしてます(^O^)/

ちゃむ #- | URL
2013/02/19 16:27 | edit

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