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第十三話 5 杖打大会 

bandicam 2013-02-05 19-26-18-421
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「只今より、成均館の学生たちによる庚戌年杖打大会を開催いたします!」

右手を高々と挙げ、大司成が大会の開催を宣言する。書吏の打ち鳴らす大太鼓の音に合わせ、丕闡堂に集まった人々から大きな拍手が起こった。

職員席についたヤギョンは、いつの間にそこにいたのやら、傍らに立つヨンハを見上げ、尋ねた。

「君は東軍の選手ではなかったかね?こんなところで何をしてる」

ヨンハはすました顔で右手を突き出すと、手首を見せて言った。

「実は負傷しまして。診察をお願いできますか」
「怪我を?試合も始まってないのにか?」

そう言うと、ヨンハは意味有りげにちらりと笑い、自分の腰の辺りを手で軽く叩いた。

「入清斎で、少々無理をしたもので」

ヤギョンは呆れたようにちょっと眉を上げると、競技場の方へと視線を投げた。そこでは、睨み合う東西先鋒選手二人の間で、審判役のユ博士が球を手に、試合開始の合図を待ち構えていた。

「試合開始!」

ジャンボクの声と共に、銅羅の音が競技場に響き渡った。東西両陣営の中央に、ユ博士が球を置く。我先に球を奪わんと、二本の打棒が固い音をたててぶつかり合った。
両応援団の声援が、一層白熱の度合いを増す。
砂煙を上げて走ってきた球を、インスの打棒が捕らえた。鷹のような眼が、素早く敵陣を見定める。インスの打った球は、一直線にユニめがけて飛んだ。
難なく自分のところに来た球を、ユニは戸惑いつつも懸命に敵陣へと運ぶ。「テムル!」とすかさずジェシンが声を上げるが、決死の表情で組み付いてきたコボンに動きを阻まれ、球を受けるどころではない。
味方への送球もままならぬまま、球門の手前まで走り込んできたユニが、今まさにそこへ球を打ち込もうと構えた瞬間、だった。
左から回りこんできたソンジュンが、目の前を掠めるように横切った。あっと思う間もなく、球はユニの足元から消えていた。
東軍の応援席から、大歓声が沸き起こった。巧みに球を操りながら、ソンジュンは早い動きで競技場の中央を突っ切って行く。が、球門の間近で味方であるはずのインスから体当たりをくらい、身をかわした隙に球を奪われてしまう。
インスの打棒から放たれた球はまた、ユニの足元に狙い定めたように飛んできた。
掌議は何をやってるんだ、と流石に応援席から不審の声が上がった。場の雰囲気に少し慣れてきたユニが、軽快な棒さばきで東軍陣地へと切り込んでいくと、球門の前でビョンチュンがぎょろついた眼を血走らせているのが見えた。
打棒を頭の上に構え、ユニを待ち構えている。その身体が、横からの体当たりを受けて吹っ飛び、ユニの視界から消えた。代わりにユニの目前に立ちはだかったのは、またしてもソンジュンだった。

互いに睨み合い、相手の出方を伺う。
ユニが一歩踏み込むと、ソンジュンも右足を踏み出した。互いの肩が、激しくぶつかる。
「くっ……!」息が止まりそうな痛みに、思わず声を漏らした。骨が軋むような押し合いの後、ユニの軽い身体はソンジュンの容赦無い右肩に弾き飛ばされ、あっけなく地面に転がった。

球を奪い取ったソンジュンは、走り込んでくる敵を一人、二人とかわし、競技場を駆け抜けていく。身をしならせ、大きく振り被ったかと思うと、次の瞬間には、球は網を突き破らんばかりの鋭さで球門に打ち込まれていた。

わっ、と上がった歓声と拍手が、丕闡堂の屋根を揺るがす。

「東軍、1点!」

斎直が、勢い良く旗を挙げて東軍の得点を告げた。
ユニは顔をしかめながら、身体を起こした。倒れるときに咄嗟に手をついて庇ったせいだろう。手のひらが擦り剝けていた。傷口についた砂をはらっていると、目の前に差し出された手があった。ジェシンだった。

「平気か?」

ユニは頷いて、ジェシンの手を取った。ぐっと引っ張り上げられて、楽に立つことができた。
身体よりも心に受けた衝撃の方が強すぎると、立ち上がることも容易ではなくなるのだと、ユニはそのとき初めて知ったのだった。


先制点に沸き返る東軍応援席とは裏腹に、ソンジュンの表情は凍てついたままだった。
顎に滴る汗を拭おうともせず踵を返した彼の目に、ジェシンに助け起こされるユンシクの姿が映る。

そんな二人の姿と、こちらを見る責めるような視線に、ソンジュンの苛立ちはもはや抑えようもないほど彼を黒く覆い尽くしていた。
まるで、皮を身ぐるみ剥がされたような気分だった。風にほんの少し吹かれただけでも、身体中にひりひりと焼けつくような痛みが走る。
自分に向かう感情の全てが腹立たしく、気持ちは尖る一方だった。

彼等から目を逸らし、守備位置に戻ろうとしたソンジュンに向かい、眉を逆立てたジェシンが足早に歩み寄る。
すれ違おうとした刹那、ジェシンはソンジュンの肩を乱暴に突き飛ばし、無理矢理振り向かせた。
会場の空気が、その瞬間に一変した。
無言で睨み合う二人に、観客席の誰もが一様に息を呑む。
職員席の大司成が、弾かれたように立ち上がって叫んだ。

「な、何をしてるんですか、あの二人は!」

慌てる大司成を横目に見ながら、ヨンハは にんまりと上げた唇を指先でなぞって、呟く。

「こりゃまた……面白くなってきた」

ジェシンがソンジュンの襟首に掴みかかった。その手首を、ソンジュンが掴む。

「二人とも、何をしてる!離れなさい!」

ユ博士が駆け寄り、二人を引き剥がしにかかった。だが、掴み合う彼等に弾き飛ばされ、倒れるすんでのところを儒生たちに支えられる。
腹立たしげにソンジュンの襟を離したジェシンが、低く言った。

「一体何の真似だ」
「今は試合中です。衝突など、よくあることでしょう」

ジェシンの頬が、怒りにぴくりと震えた。それを見たソンジュンもまた、かっと頭に血が昇った。

「ぶつかるなら相手を選んでやれ!今度テムルに同じことをしてみろ、その時は俺が」
「その名は口にするなと言ったはずだ!」

ソンジュンが拳を振り上げた。だが目の前の忌々しい顔を殴りつける寸前に、阻まれた。彼の手首を掴んでいたのは、ユンシクだった。
そうとわかった瞬間、身体中から力が抜けた。拳を上げたまま、ソンジュンは石のように動けなくなった。

「どういうつもりだよ。試合中に暴力なんて、恥ずかしくないの?」

ユンシクの固い声が、ソンジュンを責める。その黒い瞳も、ソンジュンを非難していた。
彼は手を離すと、ジェシンに向かい、言った。

「放っておきましょう。相手にする価値もない」

立ち去るユンシクの背中すら、見ることができなかった。
ソンジュンはその場に立ち尽くし、ユンシクに掴まれた手に目を落とした。

剥き出しになった感情は、育ち過ぎて主の言うことを聞かなくなった猛獣と同じだ。周囲のもの全てを傷つけ、台無しにすることがわかっていても、止められない。
なら───

ひとおもいに撃ち殺してしまうしか、術はない。

ソンジュンは唇を噛んだ。冷たい汗が、彼の背中を流れていった。





*************************************
あまるですどうもこんにちわ。

大射礼のゼッケンに引き続き、カタカナに悩まされる杖打大会(笑)
スポーツ関係の言葉ってどーしてこうカタカナが多いんだろう。ゴールとかポジションとかフィールドとかタックルとかパスとかシュートとか……あうう。
なんか、カタカナ禁止のスポーツ実況を軽く罰ゲームでやらされてる気分(笑)

でもゴール決めた瞬間のソンジュンはやっぱ格好いい(*>ω<*)
ダンスやってるせいなのかなぁ。動きがキレイなんですよね~。ぐふ。





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2013/02/05 Tue. 19:28 [edit]

category: 第十三話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: あらちゃんさま

> 今まで全く気づかなかったのですが、オスカーってちょっとヨンハとかぶる部分があるんだ~と新発見!

そうそう!それ思ったー!!ユーリってちょっとソンジュンっぽいなぁとか考えてたら、オスカーなんてキャラといい立ち位置といい、もろヨンハじゃん!と(笑)
ああ~ワタシもトーマ読み返したくなりました。実家に置きっぱなんだよな~(>_<)
今度取りに帰ろう……

あまる #- | URL
2013/02/07 10:25 | edit

Re: ともさま

本編じゃなくてメイキングだったんですね~。
ワタシもスカパーで見たことありますが、アレはアレで、ゆちょんがやたらカワイイんで、楽しめたのではないでしょーか(^^)

ソンジュンのキャラとのギャップが甚だしい……(笑)

あまる #- | URL
2013/02/07 10:15 | edit

張り切って録画したら

なんと、メイキングでした(笑)
ある意味おいしーのですが、本編を見たかったからショボーンです。

ゆちょの台本の読み合わせが一生懸命で可愛かった♪

とも #- | URL
2013/02/06 11:03 | edit

トーマに耽溺していたら・・・

こんばんは、あまる様
新しいソンギュンガンありがとうございます。
しなったユチョンの腰(ほんとにバシッと入れるシーンかっこいい!!)も、自分を制御できなくなったソンジュンも大好きです。

一昨日からトーマの心臓を読み返してしまい、すっかりユリスモールやオスカーに耽溺していました。だめだ、やっぱり。好きだ。
今まで全く気づかなかったのですが、オスカーってちょっとヨンハとかぶる部分があるんだ~と新発見!
ソンスと同じく何度読み返してもいいものはいいですね。何回も同じところで胸が詰まるのもソンスと同じです。

あらちゃん #- | URL
2013/02/05 23:58 | edit

明日の早朝から

am5時だったかな?csでまた始まるんです♡
レンタルで探してもなかったので、今度は保存用にバッチリ録画します!!あー、楽しみ!
何回みても新たな萌えポイントがあるんですよね♪
今までコロ様中心に見てしまったので、ヨンハサヒョン中心に見ようって思ってます!
少女漫画でも、絶対に脇役の男の子が好きになっちゃうんですよね(笑)
何でだろ〜

とも #- | URL
2013/02/05 20:41 | edit

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