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第十三話 2 夜陰 

bandicam 2013-01-23 00-02-13-332
**********************************


その晩のユンシクの飲みっぷりは尋常ではなかった。ドヒョンが充分に確保していたはずの酒瓶は、瞬く間に空になり、卓の上に転がった。
これはそろそろ退散した方が良さそうだと思ったのだろう、面倒事の嫌いなへウォンが、おい、と隣のドヒョンをつついた。ユンシクはといえば、既に自分で自分の頭を支えることもできず、額を卓に押し付けている。
三人はそろそろと席を立つと、酔いつぶれたユンシクを残し、さっさと宴席を後にした。


「これから、キム・ユンシクのあだ名は大トラにしよう」

大成殿を千鳥足で横切りながら、ヘウォンがろれつの回らない舌で言った。
ウタクが眠そうな目をしばたきながら尋ねる。

「じゃあ“大物”〈テムル〉ってのはどうなる?」
「チョソンに振られたんだから、もうそうは呼べないだろ」

と、ドヒョンが ばあん、とウタクの背中を叩いて、叫んだ。

「お前ら、なんて冷たい奴らなんだ!見たろ?チョソンをイ・ソンジュンに奪われて、悔しさのあまり浴びるように酒を呑んで!俺は見たぞ。あいつの心の涙を!お前らには見えなかったのか!」

悲劇だなぁ、と三人は肩を組み、それぞれ妙な節回しで歌うようにユンシクへの同情を口にしながら、清斎へと消えていった。

そんな彼等を、大成殿の側近く、銀杏の木の上から見送ったジェシンは、ふん、と鼻を鳴らした。

「キム・ユンシクがチョソンを……?」

なるほど世間ではそういうことになってるのか、と彼は片頬を上げて小さく笑った。



明倫堂前の宴席はもう、人影もまばらになっていた。隅の方で一人、卓に覆い被さるようにして酒を煽っている華奢な背中は、すぐに見つけることができた。
盃に酒を注ぐ手つきすらも危うい。酒瓶を傾けてはいるが、その殆どは盃を外れて卓の上にこぼれてしまっている。
ジェシンは大股で歩み寄ると、ユンシクの手から盃をもぎ取った。

「もうよせ」

ユンシクが、いつもの半分も開いていない目でジェシンを見上げる。ふにゃりと笑って、酒瓶を振った。

「まだ残ってます。飲まなきゃ、もったいないでしょ?」

今度は酒瓶をひったくる。呆気にとられるユンシクの前で、それを一気に煽った。

「もう無いな」
「サヨォン!」

ひどいよ、と勢い良く立ち上がったユンシクの上体が、ぐらりと揺れる。咄嗟に腕を伸ばしたジェシンの胸に、ユンシクは残っていた力を手放すように倒れ込んだ。
いきなりの出来事に、一瞬、戸惑う。伸ばしていたジェシンの腕が、行き場に困って硬直した。
やがて彼は、溜め息をひとつつくと、ユンシクを抱きかかえるようにして、その背を ぽんぽん、と小さく叩いた。



屋敷からの迎えの輿は、とうに到着していたらしく、成均館の裏門では二人の輿舁きが待ちくたびれた様子で道端に座り込んでいた。苛々するほどゆっくりした歩調で歩くヒョウンを、どうにかそこまで送り届けたソンジュンは、足早に明倫堂へと引き返した。まともに椅子にも座っていられないほど泥酔していたユンシクが気になったのだ。
だが広場に足を踏み入れた彼が見たのは、気を失ったようにぐったりとしたユンシクを背負い、東斎へと向かうジェシンの姿だった。

瞬時に、言いようのない感情が、ソンジュンの中で吹き荒れた。
ジェシンの背に身体を預ける、ユンシクの無防備な姿。
大切なものを横からふいにさらわれたような怒りが、身体の奥底から滲み出てくる。

今のソンジュンには、それを止める術がなかった。



「くそやろう……」

小さな拳が、ジェシンの胸を叩いた。

「何だと?」

背中の荷物が らしくもない言葉を吐いたので、ジェシンは思わずそう訊き返した。
ユンシクはジェシンの肩に頭を預けたまま、湿った声で呟いた。

「あいつは、クソ野郎だってみんな言うけど、ぼくはすごく……感謝してて。いつもぼくは……貰うばっかりで。そんなぼくの気持ちなんて、知りもしないでさ。どうしてあんな……酷いよ。どうして……」

泣いてるのか、とも、何があった、とも訊けなかった。
耳元に消え入るようなユンシクの声はただ悲しげで、聞いているだけで胸が詰まった。
擦り寄ってきた娘たちに辟易して、彼女を一人にしてしまったことを、ジェシンは今更ながら悔やんだ。

離れるなと言ったのは、俺の方だったのに。

「まさかお前、偉い先輩に向かって、クソ野郎とか言ってんじゃないだろうな?」

ずり落ちそうになる彼女の身体を背中に抱え直し、ジェシンはわざと明るい声を出した。
ごめんな、と口に出して謝る代わりに。


*   *   *


その晩、弓や杖打の道具が所狭しと収められた六一閣では、ビョンチュンとコボンが額をくっつけ合うようにして、何やらひそひそと話し合っていた。
間に遊技盤を挟んではいるが、遊びに興じているわけではなさそうである。どこか悲壮な顔つきをしたビョンチュンは、やおらコボンの手を両手で握り締めると、哀れっぽい声で言った。

「頼むコボン!母さんを助けてくれ!俺にはお前しかいない。今度掌議に見放されたら、俺はもう首を括るしかないんだ」

よせよ、と相方を慰めるコボンだが、こちらもつられて涙目になっている。

「それで俺は、何をすればいいんだ?」
「キム・ユンシクを潰すためには、邪魔な駒が二つある」
「駒って?」

ビョンチュンは遊技盤の上に置かれた赤い駒を二つ摘み上げ、コボンの目の前に突き出した。

「イ・ソンジュンとムン・ジェシンだよ!」
「左議政の息子と、大司憲の息子を、俺たちが?」
「そうだよ!なんで俺たちがあんな女みたいな奴に勝てないか判るか?この二人が、いつも奴にぴったりくっついて離れないからだろ!こいつらさえいなければ、奴は何もできないはずなんだ」

ビョンチュンは盤の上に置いた二つの駒と、その間に挟まれた駒を、まるで本人たちがそこにいるかのように忌々しげに見下ろした。

「キム・ユンシクのヤツ、見てろよ……」




********************************
あまるですどうもこんにちわ。
なんか間があいちゃってスミマセン(^^ゞ

JYJがエイベに勝訴したり、ゆちょがショーゲキの坊主頭になったりと、何かと浮き沈みの激しい感情を13話のソンジュン並みに持て余している今日このごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか(爆)
はぁ……しかし髪型に振り回されるのはユチョペンのもはや宿命とはいえ、なぜに坊主。
すわ入隊かと一瞬血の気が引いたわ(^^ゞ
いやっ!でもあの、見てくれより自分の気分を優先させる自由人なとこがゆちょのゆちょたる所以なのよ。ワタシはヤツのそんなトコロが大好きだーっ!だーっ!ダーッ!<エコー





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2013/01/23 Wed. 00:38 [edit]

category: 第十三話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: あらちゃんさま

をを!ディレクターズカット版ではソンジュンが走って戻るとこが入ってるんですね!
私は完全版しか持ってないので、多分急いで戻ったんだろうな~とは思ったんですが。

ボーズでもゆちょん。<腐っても鯛、みたいな(^^ゞ
最初の衝撃はだいぶ薄れましたが、今度は見るたびにちょっと笑ってしまうわ~www
あまるのPCのデスクトップは茶パツの頃のユチョンです。呪文のちょっと後くらいの。
ボーズ見た後だと死ぬほど可愛い、この髪型(笑)

あまる #- | URL
2013/01/24 23:51 | edit

大切なものを横からふいにさらわれたような・・

言えてます!完全版にはなくてディレクターズカット版にはあるお気に入りの場面の一つです。心配で走って戻ったのにコロに負ぶわれてるユニを見つけたときの「あっ」って顔。ほんとに大切なものを横からさらわれたような顔でした。

ユチョンの坊主頭、まだ見ていません・・・そういう自由なとこ、なんかかわいいな~。
正月にあまりにかわいいユチョンの夢を見てから、なんかかわいくて仕方がない私。うちの息子よりよっぽどかわいいんですけど~~

あらちゃん #- | URL
2013/01/23 23:22 | edit

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