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第十二話 9 女林と佳郎  

bandicam 2012-12-06 03-43-41-981
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扉を開けて入ってきたヨンハは、ソンジュンと目が合うと、お、と意外そうに眉を上げた。

「珍しいこともあるもんだな。礼と法を重んじるお前が、主の留守中に部屋に入るとは」

言いながら、特に気にする風でもなく床に腰を下ろす。
そんなヨンハの気兼ねの無さに勇気を得て、ソンジュンは彼に向かい合って座した。

部屋中に、所狭しと置かれた青磁の壷や壁の掛け軸は、調度品といったものにあまり興味の無いソンジュンでもそれとわかるほどの高級品である。贅沢を厳しく禁じる成均館で、博士や書吏たちの監視の目を掻い潜り、どうやってこれだけのものを持ち込んだのか甚だ不思議だが、これまでの彼を見ていると、そのくらいはきっと造作も無いことなんだろうとも思う。

ソンジュンは居住まいを正すと、口を開いた。

「失礼は承知しています。ですが先輩なら、きっと答えをご存知のはずだと思ったので……」
「話してみろよ。こう見えても口は堅いぞ」

ヨンハの目元に、人懐こい笑みが浮かんだ。それを見返しながら、ソンジュンは躊躇いがちに切り出した。

「先輩の言うとおり……男なら誰しも例外なく、女性を好むのが世の道理ですよね」

そんなことはない、とヨンハは即座に断じた。

「男が女を好きにならなきゃいけないなんて道理はないさ。本能だよ。男の、燃え上がる本能」

口の端を上げ、そんな含みのある言い方をする。ソンジュンは小さく咳払いして、尋ねた。

「では、まだ付き合いの浅い女性よりも、分かり合える友の方に親しみを覚えたとしても、それは当然ですよね?先輩にも、そんな経験が……」
「つまりお前は」

言い終わらぬうちに、ヨンハが身を乗り出して訊き返してきた。

「女より男の方が好きってことか?」

一瞬、動揺してしまった自分に更に狼狽えて、ソンジュンは目を落ち着きなく泳がせた。

「いえ、僕が言いたいのはつまり、ずっと一緒にいれば、実の兄弟のような親愛の情が湧くことも……ある……だろうと……」

ソンジュンの声は、尻すぼみに小さくなっていった。言いながら何か違うと、自分でわかったからだ。
彼には兄弟はいない。だが少なくとも今ユンシクに対して抱いているこの感情が、肉親へのそれと同種のものだとはとても思えなかったし、彼にとって弟に近い存在ともいえるスンドルと引き比べても、その違いはなおのこと明らかだった。

ヨンハはますますソンジュンに顔を近づけると、殆ど囁きかけるように言った。

「もっと近づきたい、触れてみたい───そう、思うのか?」

ずばりと言い当てられて、ソンジュンは度を失った。彼を苦悩させているのは、まさしくそれだったからだ。
行き過ぎた友情などという言葉では、決して説明のできないものが、確かに自分の中にある。それを、見透かされた気がした。
あの島で、ユンシクに口付けしようとしたところをまさか見られていたのではと、ソンジュンは動転するあまり一言も口をきくことができない。

ヨンハはくすりと笑うと、遠くを見るような目をして、言った。

「私にも覚えがあるな。───コロにね」

彼の発したその名に、ソンジュンはまたしても仰天する。
ジェシンの伸び放題の無精髭と、ボサボサのざんばら頭が彼の脳裏をよぎった。

同じか?同じものなのか?ヨリム先輩がコロ先輩に抱くそれと、僕の、キム・ユンシクへのこの気持ちが。
いや違う。よく判らないが、絶対に何か違う気がする。

心の中で必死に否定し続けるソンジュンを尻目に、ヨンハは眉根に憂いさえ漂わせ、小さく頭を振った。

「自分は男色じゃないかと、随分悩んだよ。この、天下のヨリムが」

そう言って、彼は書棚から一冊の本を取り出すと、ぽん、とソンジュンに手渡した。

「そんな時に安らぎをくれた、ありがたくも素晴らしい書物だ。必ず一人で読めよ。あまりに感動的で、涙がでるかもしれない」

結局、ヨンハに相談しても混乱が増しただけのような気もしたが、彼が労るような眼差しを向けて最後に言った言葉は、何故か すとんとソンジュンの胸に落ちた。

「あんまり悩むな。人を憎むならともかく、好きになるのは罪じゃない。相手が誰であってもな」


尊経閣へと歩く道すがら、ソンジュンは先程ヨンハに貰った本を開いてみた。あのヨリム先輩が感動するとは、一体どんな名著なのかと気になったのだ。

ところが。
彼の目に飛び込んできたのは、豊満な乳房や下半身も露わに川で沐浴する女たちの絵姿だった。
ぎょっとしたソンジュンは思わず本を閉じ、周囲に誰もいなかったかあたふたと確認する。

やはりヨリム先輩に相談などするべきではなかった。こんな不謹慎な本はすぐに返してしまわなければ。

まったくあの人は、とソンジュンは怒りさえ覚えながら、もと来た道を戻ろうと踵を返したが。
ふと立ち止まって、ちらりと、もう一度本を覗いた。




……。


……………。


………………………。




やっぱり返すのは明日にしよう、と、彼は本を脇に抱え、尊経閣へと向かったのだった。







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あまるですどうもこんにちわ。

毎度こんなトコロですみませんが、拍手コメくださったク**ム・*ンタさま。
お気遣いありがとうです(^^)
体調の方はもう全く問題ないんですが、まだちょっとコワゴワ食べてる感じです。
油モノはしばらく無理だなぁ……。シワが増えるかも(^^ゞ
それと、あまるの腐れブツ発言にも優しくフォロー入れてくださって、ちょっと泣きそうになりました。
ありがとうございます(T_T)あまるの弱った心身にじーんと染み渡りました~。

ドラマの二番手なヒトたちはヒロインの気持ちを理解するあまり強気に出られない。
故に永遠不滅の二番手なんでしょうね~(笑)

今年も残すところあと僅かになりましたが、お世話になりました。ちょっと早いですが(^^ゞ
来年もまたよろしくお願いしますm(_ _)m









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2012/12/06 Thu. 04:05 [edit]

category: 第十二話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: ち**さま

ご無沙汰です(^^)師走ですものね~。お正月休みはゆっくりとれそうですか?
前回どシリアスなジェシンに対してちょっとソンジュンはゆる~くお笑いな感じでしたが(^^ゞ楽しんでいただけましたなら嬉しいです(笑)
年内、あと2回くらい更新できるといいなー。目標としては。頑張ります。(^^)

あまる #- | URL
2012/12/12 11:39 | edit

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# | 
2012/12/11 01:03 | edit

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