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きみのためにできること 3 

せっかく拍手コメいただいたのに、なかなかお返事できませずすみません(T_T)
伏字だらけでわけわからん上に御礼だけになりますが

に***♪様、は**ち様、*む様、sn**w**teさま(わざわざご報告ありがとう~ぜんぜん問題ナッシングです!)、ク***・**タ様、き*ひ*様、さく*様

ご訪問ありがとうございました~。不義理なやつですが、皆様の拍手を励みに頑張ります。
番外編はひとまず終了しました。また本編の方もよろしくお願いします(^^)
****************************************************


将来の娘婿を迎えたユニの母は、恐縮しっぱなしだった。あんなに頭を下げて腰を痛めるのではないかとユニが密かに心配したほどである。それは、ソンジュンの家柄がどうこうということではなく、彼がその身分にそぐわぬ、謙虚さと礼儀正しさ、優しい心遣いを惜しみなく示したためだった。
ソンジュンがことのほか嬉しそうな表情を見せたのは、ユンシクと初めて顔を合わせたときだった。
君が本物の“キム・ユンシク”だね、と感慨深げに彼は言い、その手をぎゅっと握り締めた。
想像以上に立派な青年が姉の婚約者として現れ、母同様緊張でカチコチになっていたユンシクだったが、彼らが打ち解け合うにはいくらもかからなかった。

夕食の用意が出来るまでの間、ユンシクの部屋に通されたソンジュンは、そこに山と積まれている書物をざっと見て、感嘆の息を漏らした。あのチョン博士の師匠だったというキム・スンホン博士の蔵書は流石に難解なものが多く、今では貴重となった絶版本も多々あった。しかもこの家の姉弟がこれらの蔵書をすべて読み尽くしていると知り、更に感心した。そして、ユンシクが病のために科挙を一度も受けていないことをしきりに残念がった。

「ユンシクはすごく頭がいいの。講義を受けた私がわからなかったところを、教えてもらったこともあるんだから」

ユニが自慢気にそう言うと、ユンシクは照れたように笑った。

「書物を読む時間だけは、姉さんよりもたっぷりあったから。あ、義兄上、この間頂いた筆記本、参考になりました。すごく分り易くて」
「それは良かった」

ソンジュンはそれまで見たこともないほど上機嫌で、にこにこしていた。
彼が、月に二度の帰宅日にユニに持たせてくれるものは、ユンシクの薬だけではなかった。
ユニがいつも、ただでさえ少ない睡眠時間を削って、自分と弟の分と、二冊の筆記本を作るのを見かねたソンジュンが、学堂や書院で使っていた自分の筆記本をユンシクにと提供してくれたのだ。
講義の内容を、どんな細かなことも漏らさず几帳面に書き取る姉に対し、ソンジュンの筆記本は、講義の要点だけを彼らしく簡潔にまとめてあった。加えて、彼独自の解釈や、おそらく後で併読しようと思ったのだろう、他の文献の表題がいくつも書き込んであったりして、師について学んだことのないユンシクには大いに助けとなったようだった。

四人で囲んだその日の夕食に並んでいたのは、ソンジュンが、というより彼の母がお土産にと持たせたものがほとんどだった。粗末な家の小さな食卓は、豪華な料理と、四人の笑い声で溢れた。
ユンシクが義兄上、と呼び掛けるたびにソンジュンは笑み崩れ、ソンジュンが義母上、と呼び掛けるたびに母は嬉しそうに目を細めた。
そしてそんな彼らの姿を見るユニもまた、言葉に尽くせぬほどの幸せを噛み締めていたのだった。


*   *   *


「きみは、お母上やユンシク君の前だとあんな話し方をするんだな」

庭先で、ユニが用意した燈籠を受け取りながら、ソンジュンが言った。
その晩は新月だった。足元こそ暗かったものの、夜空には降るほどの星がまたたいていた。

「え?あ、そう……かな。そんな、変わらないと思うけど」
「いいや。僕と話すときとは全然違う」

ソンジュンの声は、あからさまに不満げだった。

「もしかして、酔ってる?」

ユニが尋ねると、ソンジュンは星空を見上げ「そうかもしれない」と答えた。
彼が下戸であることを母に伝え忘れていたのは迂闊だった。勧められるままに飲んでいたのを止めようとしたのに、ソンジュンは祝い事だから、とユニに口を挟ませなかったのだ。

「お酒なんて、断ってよかったのに……」

呟いたユニの声は、夜の闇に漂って、吸い込まれていった。
ソンジュンが振り仰ぐ空には、不動の星、北辰が輝いている。

もう顔も覚えていない父が、ユニに教えてくれた。
見上げた空にあの星を見つけることができたら、決して道に迷うことはない、と。
天帝にも喩えられる極北の星。天の全ての星々は、北辰を中心に回っているという。
気高く美しい星は、だが、それ故に、孤独に震えているようにも見えた。

ソンジュンはユニに視線を戻すと、言った。

「頼みがある」

「なに?」と問うと、ソンジュンは下げていた燈籠を足元に置き、ユニの左手を取った。束の間、彼は長い両の親指で、慈しむように彼女の手の感触を確かめていたが、やがて彼はそこに、そっと唇を寄せた。

「僕といるときも、あんな風に話してくれ」

返事をしなかったのは、したくてもできなかったからだ。ソンジュンのそんな仕草のせいで、ユニがしょっちゅう息が止まりそうな思いをしているのを、彼は少しもわかっていない。

「僕の前では、キム・ユンシクでいる必要はないはずだ。だから二人でいるときは、本当のきみでいて欲しいんだ」
「本当の、ぼく?」

見返すユニの目に、どこか不安げに揺れるソンジュンの瞳が映る。

「僕は、いずれきみの夫になる男だ。お母上や、ユンシク君と同じ、きみの家族だ。それくらいは、許されるだろう?」

ユニは微笑んだ。
孤高の星、北辰は知っているだろうか。常にその一番近くで、くるくると楽しげに回っている北斗星の存在を。
きみは決して独りぼっちじゃない。だってこんなにも愛されてる。

「わかった。じゃあ、そうする。ぼく……じゃなくて私、貴方の前では、キム・ユニでいるね」
「たとえ男の格好をしててもだ」
「ええ」

ユニが頷くと、いい機会だから言っておく、とソンジュンは続けた。

「話し方だけじゃない。無理して僕の助けを断ったり、僕の前で他の男どもと肩を組んだり、そういうのも駄目だ」
「うん」
「ドヒョン兄たちと酒を呑んで正体を失くしたり、妓生たちに笑いかけたりしてもいけない」
「わかったわ」
「それから……」
「まだあるの?」

いきなり、繋いでいた手をソンジュンがくい、と自分の方に引き寄せた。倒れこむくらいの勢いで、ユニはソンジュンの胸に顔を埋めることになった。頬にあたる、すべすべとした絹の肌触りと、微かな彼の香りが心地良く、一瞬気が遠くなる。

ソンジュンの左手が、ユニの顎をそっと持ち上げた。

「僕がこうしたら、絶対に拒否しないこと」

拒否なんて。そんなこと、できるわけないのに。

心の中で小さく微笑って、ユニは目を閉じる。

いつか、私が年を取って、貴方に構ってもらえなくなったとしても。
私はずっと、貴方のそばにいるから。
貴方が私に望むすべてのことを、貴方の一番近くで、馬鹿みたいに繰り返しながら。

瞬く星の輝きを瞼の裏に感じたのは、ほんの一瞬だった。
あとは、重ねた唇の熱さに、何もわからなくなった。




おしまい。





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2012/10/09 Tue. 02:33 [edit]

category: きみのためにできること

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: みずたまさま

番外編は丁寧というより若干見切り発車的なところがあったり(^^ゞ
ウチのデレデレ(もはやツン消失)ソンジュンで癒されたなら幸いにございますわ~
お互いお仕事頑張りましょ~(^^)


あまる #- | URL
2012/10/13 01:16 | edit

秋だね~。

毎度、丁寧な更新ありがと~☆

ソンジュンはやっぱりエエのう~\(^o^)/
癒しだべ~✿(^-^)
アルファー波出して、よし!今日も仕事にいってくるべ。
(かめはめ波じゃないよぅ~。)

みずたま #- | URL
2012/10/12 09:50 | edit

Re: ちゃむさま

ソンジュン腐れな番外編でしたけれども(笑)コメありがとうです~。

あまるの中では、ソンジュンは常に好き好きオーラ全開です!
とはいえドラマも、後半の彼の壊れっぷりは相当なもんだと思いますけどね~(笑)

このご時世、まだ忙しいとか言えることに感謝しないとですよね。
とココロでは思いつつも会社ではブーブー言ってるダメ人間なあまるでした(^^ゞ

あまる #- | URL
2012/10/10 23:58 | edit

久々

いいですね~あまるワールド。本編も大好きですがたまにはドラマの外で歩き回る二人も素敵。今回はソンジュンの好き好きオーラで終始するのかと思いきやユニの思いが溢れるラストが くぅ~(σ-_-)σ いいじゃないですか。忙しくされてると思いますが、お話続けてくださいね~(^-^)/

ちゃむ #- | URL
2012/10/10 11:38 | edit

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