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第十話 7 泮村 

bandicam 2012-08-20 11-15-39-060

チョイ役なのにエコ贔屓してトップ絵~ww


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眉の濃さが印象的な、くっきりとした目鼻立ち。
紙の上に描かれたその顔を ぴんと指先で弾いて、ヨンハが言った。

「まったく、たいした団結力だ。これだけ詳しい人相書きを見ても誰一人知らないなんて、有り得るか?隣の女房の月のものの日付けまで把握してるやつらだぞ」

例によってそこは貰冊房の地下工房跡。
結局半日費やしても、泮村ではあの少年の手掛かりを何一つ得ることができなかった。人の噂や聞き込みによる情報収集を最も得意とするヨンハも、今回ばかりは流石にお手上げだった。揃いも揃ってあの貝のような口の固さは、ある意味不気味ですらある。
椅子に跨ったジェシンが、背もたれに顎を乗せて面倒臭そうに言った。

「貧乏人同士庇いあってんだよ。俺たちがいくら訊いたって無駄だろ」
「ぼく……泮村の裏通りがあんなに貧しい地域だったなんて、知りませんでした」

ユンシクにとっても、あの裏通りの有様は相当に胸を突かれるものがあったのだろう。
何と言ってもここは都の中心地だ。同じように貧しくはあっても、ユンシクの暮らす田舎の方が、はるかに清潔で伸び伸びとしているだろうということは想像に難くない。

「泮人の半数は白丁〈ペクチョン〉で、残りの半数は成均館の官奴婢だ。つまり世間の最下層。人間扱いすらされてねぇ」

ジェシンが、気分の悪さをいつものぶっきらぼうな言い草に乗せて、言った。
ジェシンをよく知らない人間が決まって勘違いするところだが、彼が忌み嫌っているのは奴婢や白丁たちではなく、彼等を生み出した世の中だ。
その怒りが、ジェシンをして紅壁書の活動へと向かわせている。

「それで……物を盗んで、売るしかなかったと?」

ユンシクの声音に、どことなく同情的な響きがあったからかもしれない。ソンジュンが即座に断じた。

「犯罪は犯罪です。どんな理由であれ、赦されるものではありません」

その言葉は、らしいといえばあまりにソンジュンらしく、ヨンハはつい笑ってしまった。このブレの無さこそが彼の本分だ。
世の中、正しいことがすべてではないが、それがなければ、本来の道を見失ってしまう。

一方、ジェシンは呆れたように はっ、と息を吐いて、「ご立派だよ」とソンジュンに向かって言った。

「旬頭殿講まで、もうあまり時間がありません。このままでは、キム・ユンシクの濡れ衣を晴らすのは難しいかと」

現状を冷静に告げるソンジュンに、ユンシクの表情が曇る。それを横目に見遣りながら、ヨンハは尋ねた。

「で、どうする気だ?」
「───そろそろ、別の方法が必要でしょう」

闇雲に、昨日雲従街で出くわした少年を捜すだけでは今のようにすぐ手詰まりになってしまう。ソンジュンの提案した“別の方法”とは要するに、犯人に辿り着く経路を変えてみることだった。

闇市の帳簿には、泮人との取引記録は今回だけだった。成均館の日誌を調べたところ、館内での盗難事件も、ここしばらく起こっていない。つまりは、常習犯ではないということだ。
家の事情で急を要したとすれば、結婚や引越し、葬儀に祭祀といったところが考えられる。
そういえば、とユンシクが口を開いた。

「市場の商品で、価格が暴騰したものがあって、庶民が買えなくなっているとか」
「なるほど。闇市での物々交換でなければ手に入れられないもの、か。カラン、わかるか?」
「ここ半月で市場価格が暴騰した品目というと───確か、塩と麻布だったはずです」

さすがは毎日朝報〈チョボ〉を読み込んでいるだけのことはある。即答したソンジュンに、ヨンハがぱちんと指を鳴らした。

「葬式だ!」


*   *   *


湿って腐りかけた藁屋根に、崩れそうな土壁。
その家は、隣近所同様、ただ古く小さく、これといった特徴はなかった。
入り口に吊るされた灯籠が、かろうじてこの家が忌中であることを知らせてはいたが、それもうっかりすると見落としそうなくらい小さなもので、本来の役割を果たしているとはお世辞にもいえなかった。

その、見るからに貧相な家の前に、絹の道袍をまとい、笠の下に翡翠の玉飾りをきらめかせたインスとその取り巻きたちが鷹揚に佇んでいる様は一種異様でもあった。
彼等は、狭い路地に待ち人が入ってきたことを知ると、口の端に一様に歪んだ笑みを浮かべた。その笑みは、獲物が思い通り現れたことに対する満足と、これでようやくこの臭くて不快極まりない場所から開放されるという安堵感から出たものに違いなかった。

一方の少年は、自分の家の前に見慣れぬ両班の男たちがたむろしているのを見るや、さっと顔色を変えた。
弾かれたように踵を返したが、既に背後に回り込んでいたカン・ムがその行く手を塞ぎ、喉元に木刀を突きつけた。間合いを詰められ、じりじりと後退る少年に向かい、インスが言った。

「次からは気をつけた方がいい。人の顔を見るなり逃げ出すのは、罪を認めるのと同じことだ」

ひび割れた唇を噛み、少年はインスを睨み返した。ビョンチュンが顎をそびやかして、言った。

「挨拶しろ。成均館の掌議、ハ・インス様だ」
「違う!」

少年は叫んだ。

「俺じゃない!俺は何もやってない!」

そうだろうとも、とインスは薄く微笑んだ。

「安心しろ。我々はお前を捕まえに来たわけじゃない。ただ、取引がしたくてね」

袂から束になった一両銀貨を出し、そのずっしりとした重さを見せつけながら、彼は言った。

「お前に必要なのは金。我々に必要なのはお前のその沈黙───。いい取引だと思わないか?」




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あまるですどうもこんにちわ。
「太陽を抱く月」、オクセジャのついでに(爆)見始めたんですが、面白いですー(^^)
初回からグイグイ引きこまれました。ソンスやらチャングムやらファン・ジニやらイルジメやら、今まで見てきた韓流史劇でお馴染みの俳優さんがワラワラ出てて楽しいのもあると思うんだけど。

個人的にはZE:Aのシワンも捨てがたいが(笑)上↑でコソ泥兄ちゃんの役で出てきたイ・ミノ君がステキです。
彼はオクセジャからまたさらに出世してた!今度はなんと王族!(庶子だけど)
なかなか高貴な顔だちしてるもんね。むしろコソ泥よりはハマってるかも。

情報とか一切仕入れずに見たんですが、このドラマの原作、ソンスの原作書いた方と同じらしいですね。
ちょっと期待してしまおー。むふ。





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2012/08/20 Mon. 11:20 [edit]

category: 第十話

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

Re: ちびたさま

そうそう、無駄にイケメン(笑)
今度のドラマでは彼はいちおー子役(^^ゞなので多分最初の5話くらいしか出ないとは思うけど、いい役ですよ~。
王族でありながらフーテンで、なんか飄々としてて。マンボを武闘派にして更にカッコ良くした感じ。

全力でプッシュです!(^^)


あまる #- | URL
2012/08/22 00:10 | edit

にいちゃーん!

をを!オクセジャからさらに出世したか!ぼうや!(をい!)

最初に彼見た時には『どーしてこんなにチョイ役にこんなイケメン使うかなあ』と思いましたわ。(結構好みな顔です)

イ・ソンジュンも両班から王族に出世だったもんねえ(しみじみ)

また、この掌議との対面シーン、冷たいイケメンと熱いイケメンのコントラストがなんとも(ほっほっほ)
あまるさん、エコひいきのトップ画像ありがとー!

ちびた #- | URL
2012/08/20 22:27 | edit

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